2020 Fiscal Year Research-status Report
A Canonical Construction Instruction List Revisited: Speech Acts Allocation
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18K00764
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
能登原 祥之 同志社大学, 文学部, 教授 (70300613)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 典型的な構文 / 間接発話行為 / 話し言葉コーパス / イメージスキーマ |
Outline of Annual Research Achievements |
3年目の 2020年度では、典型的な構文と間接発話行為に関する文献研究をさらに進め、物理的世界・力動的世界を表現する典型的な構文5種(Processes/SVC(get)、Object-motion/SV(go)、Action /SVO (make)、Caused-motion/SVO(put)、Transfer/SVO (give))に焦点を当て、SpokenBNC 2014(2017)を通して各構文に見られる間接発話行為の記述を行なった。その際、各構文と観察された間接発話行為との関係を理論的に整理するため、Hernandez & de Mendoza (2002) を参考に比喩・イメージスキーマ的特徴の考察も行なった。調査の結果、(1)5種の構文に共通して見られる発話行為として<事実を伝える・求める(報告)>が確認され、様々な内容(物体移動、過程、行為、使役移動、授与)を報告するため様々な構文が使われること、(2) Action/SVO、Caused-motion/SVO、Transfer/SVO、Object-motion/SVといった物理的世界・力動的世界を表現する4種の構文の間接発話行為として<人や物に・・・させる(提案、励まし、拒絶)>が確認され、人と交流する際にこれらの構文が使われること、(3) 物理的世界を表現するProcesses/SVCに見られる間接発話行為として<感情を表現する(不満、恐怖)>が確認され、否定的なニュアンスでこの構文が使われること、の3点が明らかとなった。調査結果をふまえ、5種の典型的な構文と3種の間接発話行為(<事実を伝える・求める(報告)><人や物にさせる(提案、励まし、拒絶)><感情を表現する(不満、恐怖)>)との関係を比喩・イメージスキーマを使って整理した。最後に、その言語特徴をふまえ、コミュニケーション重視で典型的な構文を指導していくべきとした(2020年 5月 The 41th International Computer Archive of Modern and Medieval English (ICAME41) Heidelberg Digital Conferenceにて口頭発表)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1・2年目に研究の視点や研究手法を確立することができたことで、3年目の研究に早めに取り掛かることができたことが理由として挙げられる。
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Strategy for Future Research Activity |
3年間かけて行った13種の典型的な構文に見られる間接発話行為の記述研究を精緻化・再整理し、調査の限界を指摘した上で、教育的示唆をまとめる予定にしている。
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Causes of Carryover |
理由としては、新型コロナウイルス感染症の関係で参加予定の学会が延期になったことが挙げられる。使用計画としては、本研究に関わる関連学会に参加(オンライン参加も含む)するために使用予定である。
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Research Products
(2 results)