2022 Fiscal Year Annual Research Report
Enhancing L2 pronunciation of prosody in English through auditory priming: Exploring optimal learning conditions
Project/Area Number |
18K00765
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
杉浦 香織 立命館大学, 理工学部, 教授 (50515921)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 智子 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 先任准教授 (00269789)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | auditory priming / pronunciation / prosody / adult learners / second language |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、日本語を母語とする成人英語学習者用の発音学習教材の開発を目指し、聴覚性プライミング効果(暗示的学習)による学習でプロソディーや分節音の発音学習が可能かどうかを(1)発音項目(2) 文の提示方法(3)学習方法(4)学習間隔の観点から検討することを計画した。2022年度は(2)提示方法に焦点を当てた。
本実験では、リズム音に続いて音声提示される短文の即時復唱で発音学習が可能か、直後(10分後)と遅延(1週間後)で検討した。文と同じリズム型を持つリズム音を先行して聞くと、学習者は音声情報の重要な部分に注意資源を集中させやすく言語処理・習得を促進すると、母語話者を対象とした研究では明らかにされている。一方、第二言語(L2)学習者を対象とした研究は僅少で検討の余地がある。
実験は「事前テスト」「練習」「直後・遅延テスト」の3部で構成された。参加者は日本語を母語とする英語学習者14名(平均年齢20歳、英語力CEFRA2-B1)であった。各テストでは、参加者は音声提示される短文を即時復唱した。練習では、リズム音の復唱後に音声提示される20文を即時復唱する群と、音声提示された20文のみを即時復唱する群に分かれた(各文4回復唱、テストで不使用の文)。参加者の発音を音声分析した結果、リズムの発音は、「リズム音あり」で練習した群のみ1週間後まで効果が持続した。ポーズ長では、「リズム音あり」の練習で1週間後になり、効果が見られた。リズムの発音以外の発音項目にも付随的に学習効果が見られ、かつ効果が持続した結果から、先行リズム音がL2音声処理を促し発音学習に有効であることが示唆された。一方で、ピッチ面では効果を得られなかった。ピッチの音声情報の処理は、リズム音を用いた短時間の練習では難しいと推察される。以上、本結果は先行リズム音が音声処理を促し、一定の発音項目の暗示的学習を促す可能性を示した。
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Research Products
(1 results)