2023 Fiscal Year Annual Research Report
The effects of extensive reading on the development of L2 reading fluency and grammatical ability and on the development of writing ability
Project/Area Number |
18K00766
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
吉澤 清美 関西大学, 研究推進部, 非常勤研究員 (80210665)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 多読 / 文法・統語能力の発達 / 中間言語 / 読みの速度の発達 / リーディングとライティングの接点 / 外国語での読み |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は授業内外で一年間多読を行った学習者(多読群)と多読を行わず、ストラテジー訓練や精読を行った学習者(統制群)の読解力、読む速度の発達に関する収集データの分析方法を見直し、検証を行った。読解力に関して、多読群は事後の読解力が事前よりも有意に伸びていたが、統制群では有意差は見られなかった。読む速度に関しては、プログラム開始時、多読群は統制群よりも読む速度が遅く、その差は有意であった。終了時では、前者が後者よりも速く読めるようになっていたが、その差は有意ではなかった。また、多読群の開始時と終了時の読む速さの違いは有意であったが、統制群では有意でなかった。次に、各グループの読む速度の伸びの違いを分析した結果、グループ間の違いは有意であり、多読群が約20単語伸びていた。これらの結果は多読を継続して行うことにより、多読は外国語での読みにおける流暢さを向上させ、それは読解力の向上をも伴うと言える。 研究期間全体の成果としては、上述の多読が読解力と読む速度の発達に効果があるということに加えて、多読によって学習者が流暢な読み方をしながら読む内容を理解する力を発達させるためには、読書量とともに学習者の読書行動も影響することが読書記録手帳の質的分析から明らかになった。更に、多読が及ぼすライティング力発達への効果については、多読を部分的にでも活用することがより詳細で一貫性のある要約文を書くことへと繋がる傾向にあり、ライティング力の発達へ多読が寄与すると考えられる。しかしながら、多読が中間言語に及ぼす影響については、データ収集を終えている日英バイリンガル文法チェックテスト、要約文の質的分析、EPERプレイスメント・プログレステストの統語・文法知識項目の時系列的変化の結果を踏まえ、総合的に考察する必要がある。
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[Book] Re-Envisioning EFL Education in Asia2023
Author(s)
Theron Muller, John Adamson, Steven Herder, Philip Brown, Kiyomi Yoshizawa, Atsuko Takase, Kyoko Otsuki, Masumi Narita, Akiko Nagao, Barry Kavanagh, Dominique Vola Ambinintsoa, Kie Yamamoto, Anuja Thomas, Mark McGuire, John Rucynski, Disi Ai, Danya Shaalan, Laura Tayler, Lijie Shao, Tim Murphey
Total Pages
324
Publisher
International Teacher Development Institute
ISBN
9798988089209