2022 Fiscal Year Research-status Report
留学の効果を最大化する留学事前事後の教育プログラム開発のための基礎的研究
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18K00769
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Research Institution | Yasuda Women's University |
Principal Investigator |
山川 健一 安田女子大学, 文学部, 教授 (00279077)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 留学 / 留学の効果 / 留学プログラム / 留学事前事後 / 外国語教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、学生の留学中の振り返りのデータをGoogle Formを利用して継続して収集した。また。2021-2022年のコロナ禍に3か月の留学を体験した4年生のうち留学体験に対して肯定的評価と否定的評価を行った9名を対象にしてインタビューを行い、「コロナ禍における留学」におけるナラティブ形式のデータを収集した。 論文等の執筆については、①「複線径路等至性アプローチ(TEA)を用いた留学時の内面的変容に関する考察」と、②「海外留学プログラムにおける学生の変容:BEVIを用いた分析」を執筆した。これらは過去に留学した学生から収集したデータについて、①では学生の留学中の心的状態について複線径路等至性アプローチ(TEA)を用いて質的に記述した。②ではBEVIという心理測定ツールを用いて、留学前後の変化や留学先大学別の相違について量的に分析したものである。 学会等での口頭発表については、①「複線径路等至性アプローチ(TEA)を用いた留学時の内面的変容に関する考察」、②「海外留学プログラムにおける学生の変容:BEVIを用いた分析」、③「コロナ禍の海外留学におけるプログラム運営と参加学生の体験」を発表した。①と②は、上記論文の①と②それぞれの基になった発表である。③は上述の2021-2022年のコロナ禍に実施した3か月の留学について、コロナ禍でのプログラム運営の方法論とその中で留学した学生の心理状態について情報教提供を行ったものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2022年度は、それまで遅滞していた取得済みのデータの分析に着手していた。論文執筆を2件と学会等での発表を3件行ったが、それらの準備のために、未分析の量的データの分析にまだ着手できていない。 コロナ発生前に主にデータ収集を行っていた学年の学生は既に卒業したので、その際に十分に収集できなかった種類のデータの分析の収集とそのための追加の準備を、今年度は別の学年に対して行っていた。 上記の理由により、本研究は3年計画で、その後2年延期の期間をいただいていたが、さらに1年延期の申請を行い承認をいただいている。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は本研究課題の最終年度になる。以下の3つの柱で研究を進める予定である。まず一点目は、すでに卒業した学生から得られたデータも含め、これまで収集した量的・質的データの分析を進めて統合することが挙げられる。 二点目は、一点目から得られた知見に基づき、現在行っている留学プログラムの枠組み(事前事後指導、カリキュラムとの関連性、留学支援体制など)を最適化するために必要なものは何かについて議論する予定である。 三点目は、上記の3つの点から得られた知見について、学会発表と論文執筆を行う予定である。
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Causes of Carryover |
2022年度は、予定していた関連学会や研究会への出席が対面では不可能になり、その分の旅費も未使用となった。 2023年度は延長後の本研究の最終年度であるので、第3回目のBEVIの実施、ならびに追加のインタビューデータの文字起こしや、追加の調査対象者への謝金等も予定している。 加えて、収集ならびに分析が終了したデータについては、学会発表等で随時公開していく予定である。現時点では、学会発表を2件(国際学会1件と国内学会1件)を予定している。また、発表したものを論文化する際の投稿料・英文校閲料やその他諸費を予定している。
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