2021 Fiscal Year Research-status Report
スペイン語教育と文化間理解に資する「汎用スペイン語」の研究
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18K00786
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
江澤 照美 愛知県立大学, 外国語学部, 教授 (80305507)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | スペイン語教育 / スペイン語 / 共通語 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度8月にSELE2021において「Panhispanismoとスペイン語教育」というタイトルでオンラインによる口頭発表をおこなった。SELEは東京スペイン語学研究会および関西スペイン語学研究会が年に一度開催する合同研究発表会であり、日本のスペイン語学・スペイン語教育研究者が多く参加する。 研究代表者は以前にもSELEで口頭発表をした経験を持つが、本研究についての成果発表をおこなうのは初めてのことであった。そこで、今回の口頭発表では本研究の着想や海外調査実施により得た成果を紹介しつつ、現在研究代表者が取り組んでいる日本のスペイン語教育への活用についてその可能性と自身の見解を紹介した。 SELE2021での口頭発表後、2021年度末に「「汎用スペイン語」の教育的応用」というタイトルの学術論文を所属機関の紀要雑誌に発表した。研究代表者は同論文の中で言語コーパスの活用が「汎用スペイン語」の教育的応用に有効であることを指摘した。ここで述べる言語コーパスとは、汎イスパニア主義政策をとる王立スペインアカデミー(RAE)やスペイン語圏各国の言語アカデミーの団体(ASALE)の協力体制により構築された膨大な言語コーパスを指す。本論文では、RAEと協力関係を結びスペイン語教材として初めてRAEの言語コーパスを活用したテキストの検証をおこなった。また、RAEの有料プラットフォーム Enclave RAEの中で教育的活用を目的としたツールの教室現場での活用の可能性について論じた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究ではスペイン語圏での調査および資料収集を計3回予定しているがこれまでに実施したのは初年度の1回だけで、その後Covid-19ウイルスの世界的蔓延により海外調査の中止を余儀なくされ現在に至る。そのため昨年度から計画の見直しに着手した。研究の方向性を変更したことによりそれが遅れにつながっているが、最終年度を次年度まで延長することにより本研究の完成を目指す。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度研究を進める中で、王立言語アカデミーなどが構築したスペイン語の言語コーパスが汎イスパニア主義と親和性を持つことや、外国語としてのスペイン語教育の世界で言語コーパスの活用のための研究が進んでいることについて数々の知見を得た。次年度は本研究の最終年度に当たるが、言語コーパスとその活用という観点から本研究の完成を目指す予定である。
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Causes of Carryover |
海外調査実施を予定していたが、結局今年度執行できなかった。次年度文献購入および可能であれば国内での調査のための執行を考えている。
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