2023 Fiscal Year Annual Research Report
Research on "Pan-hispanic Spanish" for Spanish Language Teaching and Intercultural Understanding
Project/Area Number |
18K00786
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
江澤 照美 愛知県立大学, 外国語学部, 教授 (80305507)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | スペイン語教育 / スペイン語 / 共通語 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は本研究課題の最終年度に当たるため、本研究により得た成果を日本国内のスペイン語教育現場で活用するための実践的活動について総括を行い、同時に教育現場における実践も進めていくことを主たる目標として定めた。具体的には異なる場での口頭発表3回(うちワークショップ1回を含む)を実施し、また紀要論文1編にて論考をまとめた。さらに、本務校の授業(研究演習や講義、実習)において、今後のスペイン語学習や教育でスペイン語の汎用的な側面がより重視・注目される傾向およびその必要性について、具体的な事例と共に紹介を試みた。 上述の活動のうち、ワークショップでは日本で教鞭をとるスペイン語教師どうしで有意義な意見交換ができた。前世紀にはスペイン語圏への留学がスペイン語の学習モチベーションをあげる主な活動であったが、今世紀に入り、スペイン語圏からの留学生、インバウンド、外国籍住民との交流により学生は日本にいながらにしてスペイン語話者と接触しうる環境が増えつつある。しかも、現在国内で遭遇するのはスペイン人のみならず中南米諸国の人々も少なくない。また、世界共通語の一つであるスペイン語を使える非スペイン語話者との出会いを経験する学生もいて、このような時代にあわせた新しいスペイン語教育や学習の必要性を多くの教師が自覚している。本研究を開始した当初よりも汎用的なスペイン語について日本の教師の関心や意識が高まっていることが明らかとなった。 スペイン語の汎用性に注目することにより、スペイン語圏の文化や社会への理解やインタラクティブ的要素を増やした活動を織り込んだ入門レベルのテキストやシラバス作成の必要性が高まる。近年の教育動向を調査した結果、スペイン語の汎用性を意識した授業形態やツール、テキストの活用が十分可能であるという結論を得た。
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