2018 Fiscal Year Research-status Report
Study on the Chinese language education focusing on the continuity from the prewar to postwar period. In the case of the Toa Dobun Shoin College to the Aichi University.
Project/Area Number |
18K00800
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Research Institution | Aichi University |
Principal Investigator |
石田 卓生 愛知大学, 東亜同文書院大学記念センター, 研究員 (50727873)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 東亜同文書院 / 愛知大学 / 日清貿易研究所 / 中国語教育 / 華語萃編 / 中日大辞典 / 東亜同文会 |
Outline of Annual Research Achievements |
【書籍等出版物】『東亜同文書院の教育に関する多面的研究』(愛知大学東亜同文書院大学記念センター叢書、不二出版、2019年3月)は東亜同文書院の教育活動とそこに学んだ学生や卒業生の行動を通して、その展開を明らかにしようとした。 【研究ノート】「荒川清秀先生に聞--中国語との出会いから愛知大学へ」(『同文書院記念報』Vol. 27、45-54頁、2019年3月)は愛知大学の中国語教育活動の変化を明らかにするために行った聞き取り調査の記録である。「愛知大学の歴史についての講義--2018年度の大学史教育の取り組みについて」(同56-62頁)で扱った講義内容には東亜同文書院の中国語教育が含まれている。「上海の東亜同文書院とその歴史マップ」(同103-114頁)は同名の講演記録を整理したものである。 【口頭発表】「日清貿易研究所と東亜同文書院の連続性について--東亜同文書院院長根津一発奉天軍政署小山秋作中佐宛書信から」(ワークショップ「日清貿易研究所から東亜同文書院へ」愛知大学東亜同文書院大学記念センター、2019年3月16日、愛知大学豊橋キャンパス)は東亜同文書院生の中国語講義の成績と進路について報告した。「上海の東亜同文書院とその歴史マップ」(講演会「上海と東亜同文書院大学・愛知大学」愛知大学東亜同文書院大学記念センター、2018年7月1日、岡崎市立図書館交流プラザりぶら)は、東亜同文書院の中国語教材の出版を行っていた蘆澤印刷所についての現地調査の結果を含む。 【現地調査】北京国家図書館において東亜同文書院関係の資料調査を行い、一部が閲覧不可能であること、同窓会誌は旧東亜同文書院所蔵でないことを確認した(2019年3月17-20日)。「満洲国」文学研究会定例研究会(2018年12月22日)、荒尾精追悼式(同9月23日)に参加して関係者と研究上の交流を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度は、東亜同文書院の中国語教育活動の実態を明らかにする内容を含む単著『東亜同文書院の教育に関する多面的研究』(愛知大学東亜同文書院大学記念センター叢書、不二出版、2019年3月)を刊行し、東亜同文書院大学の後身である愛知大学における中国語教育の変遷に注目した聞き取り調査の成果を「荒川清秀先生に聞く--中国語との出会いから愛知大学へ」(『同文書院記念報』Vol. 27、45-54頁、2019年3月)として発表し、さらに研究成果を教育にフィードバックしたことについて「愛知大学の歴史についての講義--2018年度の大学史教育の取り組みについて」(同56-62頁)をまとめた。さらに東亜同文書院の中国語教材の出版を行っていた蘆澤印刷所についての現地調査を内容に含む2018年7月1日の講演会の記録を「上海の東亜同文書院とその歴史マップ」(同103-114頁)に整理し、2019年3月16日のワークショップでは中国語教育の成果の延長にあるキャリア形成について「日清貿易研究所と東亜同文書院の連続性について--東亜同文書院院長根津一発奉天軍政署小山秋作中佐宛書信から」として口頭発表した。ほかに北京での資料調査を実施したり、国内の関連研究会や集会に参加して関係者と研究上の意見交換等を進めたりすることができた。 以上のように調査と研究、その公表について着実に活動を展開することができており、おおむね順調に進展していると評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度における研究活動のペースにしつつ、当初計画の東亜同文書院と愛知大学との中国語教材間の比較や、国内の教育機関の中国語教材の比較といった文献資料の検討を進める。同時に、愛知大学において東亜同文書院系教員の次の世代を担った教員への聞き取り調査を継続的に実施することにより、本研究の目的である戦前と戦後の中国語教育の継続性について実証的な検討を行う。さらに、東亜同文書院と愛知大学両校で使用された『華語萃編』初集については詳細な注釈を附した復刻を作成して早急に公表できる形に整理する予定である。
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Causes of Carryover |
当該年度において次年度使用額が生じたのは、当初計画していた文献資料の検討よりも本研究の基底となる研究成果を『東亜同文書院の教育に関する多面的研究』(愛知大学東亜同文書院大学記念センター叢書、不二出版、2019年3月)として発表することと、聞き取り調査や実地調査を先行させたことによって高額な文献資料の購入を延期したためであり、単に実施時期が前後しただけである。愛知大学や東亜同文書院大学記念センターが所蔵する東亜同文書院系の資料整理は順調に進めており、今後は購入予定の文献資料を入手することによって計画通りの活動を行う。
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