2022 Fiscal Year Research-status Report
Study on the Chinese language education focusing on the continuity from the prewar to postwar period. In the case of the Toa Dobun Shoin College to the Aichi University.
Project/Area Number |
18K00800
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Research Institution | Aichi University |
Principal Investigator |
石田 卓生 愛知大学, 東亜同文書院大学記念センター, 研究員 (50727873)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 東亜同文書院 / 愛知大学 / 中国語教育 / 華語萃編 |
Outline of Annual Research Achievements |
東亜同文書院の中国語教育の戦後における展開の調査研究の成果として、戦後に愛知大学が使用した東亜同文書院編纂中国語教科書『華語萃編』初集の翻刻を出版した。東亜同文書院と愛知大学で使われたこの教科書は、両校の専用教材であったため所蔵が少なく、内容のついて詳らかにされてきたとは言いがたい。これについて今泉潤太郎監修・石田卓生編訳『愛知大学版東亜同文書院大学編纂『華語萃編』初集:影印・翻刻と総訳』(不二出版、2023年)は、戦後の中国社会や中国語の変化に対応させるために愛知大学で改訂された版本を翻刻し、ピンインと日本語訳をつけて、その実像を明らかにした。これによって中国語研究分野の資料として『華語萃編』初集を利用する利便性を飛躍的に高めた。これに関連して口頭発表「東亜同文書院大学から愛知大学へと継承された中日辞典づくりと中国語教育の展開」(2022年度豊橋市民大学トラム「愛知大学のドラマチックな誕生物語と創設期の卒業生たち」、2022年12月17日)および「東亜同文書院の中国語教育と大旅行:中国語教科書『華語萃編』を中心に考える」(愛知大学国際問題研究所、東亜同文書院大学記念センター共催国際シンポジウム「東亜同文書院「大旅行」と現代東アジア」、2023年3月11日)、「中日大辞典を巡る人々」(1-16)(『東日新聞』2022年3月-6月)を進めた。 また、日中戦争中に東亜同文書院の中国語教育を戦争利用として実施された現役学生の従軍活動について「1937年に実施された東亜同文書院生の中国語通訳従軍について」(『中国研究月報』76(4)、2022年4月)を発表し、東亜同文書院の中国研究に関する調査結果として「愛知大学東亜同文書院大学記念センター所蔵三田良信氏寄贈大村欣一旧蔵書目録」(『同文書院記念報』(31)、2023年3月)を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度までの調査活動の成果を、今泉潤太郎監修・石田卓生編訳『愛知大学版東亜同文書院大学編纂『華語萃編』初集:影印・翻刻と総訳』(不二出版、2023年)、「1937年に実施された東亜同文書院生の中国語通訳従軍について」(『中国研究月報』76(4)、2022年4月)、「亀山琢道さんに聞く」(『同文書院記念報』(31)、2023年3月)、「愛知大学東亜同文書院大学記念センター所蔵三田良信氏寄贈大村欣一旧蔵書目録」(『同文書院記念報』(31)、2023年3月)、口頭発表「東亜同文書院大学から愛知大学へと継承された中日辞典づくりと中国語教育の展開」(2022年度豊橋市民大学トラム「愛知大学のドラマチックな誕生物語と創設期の卒業生たち」、2022年12月17日)、口頭発表「東亜同文書院の中国語教育と大旅行:中国語教科書『華語萃編』を中心に考える」(愛知大学国際問題研究所、東亜同文書院大学記念センター共催国際シンポジウム「東亜同文書院「大旅行」と現代東アジア」、2023年3月11日)などによって公表することによって研究計画を順調に進展させることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに行ってきた関係者への聞き取りに継続的に取り組むとともに、新型コロナウィルス流行によって制限されていた対外調査を本格的に再開させることによって資料調査を充実させつつ当初の研究目的の達成を目指す。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス流行の状況によっては当初計画の国内外での調査活動を実施することを検討しており、それらに充てる予算の執行を留保したため次年度使用額が生じた。コロナ流行によって実施が困難な活動については適宜変更しつつ当初の研究目的を達成したい。
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