2020 Fiscal Year Research-status Report
Nonverbal Information as a Source of Intercultural Miscommunication
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18K00813
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Research Institution | Okinawa International University |
Principal Investigator |
李 イニッド 沖縄国際大学, 総合文化学部, 教授 (50454997)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 非言語 / ミス・コミュニケーション / 対面式コミュニケーション / 異文化間コミュニケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
さまざまな事柄のグローバル化の進展とともに、異文化間コミュニケーション能力の向上が益々重要になっている。本研究は第二言語習得と異文化間コミュニケーション教育の視点より、非言語的要因による異文化間ミス・コミュニケーションについて調べることを目指している。日本人と外国人のコミュニケーションを中心に対話者間での非言語使用について調査を行う。特に非言語情報によるミス・コミュニケーションの事例研究から誤解を生む原因となっているジェスチャーや音声行動を詳しく分析したい。外国語学習者によるミス・コミュニケーションのみならず、彼らから見た目標言語の母語話者による理解しがたい非言語行動にも研究の対象になる。以上の研究について、複数の調査方法を組み合わせて第二言語学習者と母語話者からデータを集め、様々な角度から検証し、その結果に基づいて、異文化間コミュニケーションにおけるミスマッチを分類し、理論化することを模索してみる。初年度は主にミス・コミュニケーション研究に関する文献や最新情報を収集し、日本語母語話者と中国人日本語学習者の対面式会話についての観察研究を行った。次年度より、マルチモーダルなコミュニケーションアプローチの観点から、自然会話データに加えて、電子メールにおける非言語記号の使用によるミス・コミュニケーションについても調査する必要があると判断し、二種類のデータを比較することになりました。特に考察したいのは、電子メールやチャット、SNSなどメディア上のディスコースによく使われる「・・・」という三点リーダーと対面式コミュニケーションにおける沈黙やポースの語用論的機能の共通点と相違点である。また、このような非言語的情報の解読について、母語話者と非母語話者の比較することによって、異文化間コミュニケーションに対する理解をさらに深めながら、外国語やマルチリンガル教育への示唆を明らかにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3年度目に行われる予定だった海外調査は、コロナウイルス感染拡大の影響で実施できなくなった。その結果、一部の研究が遅くなったが、いままでの研究成果をまとめ、国際学会や専門学術誌で発表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
いままでの研究結果を令和元年度(2019)に行われた2つの国際学会と令和2年度(2020)の専門学術誌で発表した。令和3年度は、主に、自然会話と電子メールコミュニケーションにおける非言語的情報の記号化と解読の特性について考察し、その調査結果に適用できる理論を模索する。
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Causes of Carryover |
前述したとおり、令和2年度に行われる予定だった海外調査は、コロナウイルスの感染拡大の影響で実施できなくなった。その結果、一部の研究が遅くなったが、いままでの研究成果をまとめて国際学会や専門誌で発表することができた。令和3年度に、引き続き研究結果を国際学会で発表する予定である。
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