2019 Fiscal Year Research-status Report
中国語コミュニケーション能力を育成するための言語運用能力判断基準の開発
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18K00819
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
曲 明 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 准教授 (60727064)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 第二外国語教育、中国語教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和元年は以下2つの研究活動を行った。一つは第二外国語としての中国語の授業の教育/学習項目をまとめたことである。もう一つはそれを用いて、中国語を学ぶ日本人大学生を対象にアンケート調査を実施したことである。 教育/学習項目リストの作りに当たって、まず第二外国語としての中国語授業で使っている教科書の分析を行った。今までどのような内容で教えてきたのかについて、教科書に載っている学習内容を洗い出し、Can-doリストの形で教育/学習項目のリストを作った。すなわち、学生の「できるはず」の能力項目リストをまとめた。前年度教員を対象にした研究の結果と照らし合わせて、学生向けの教育/学習項目のアンケート用紙を作成した。 その後、作成したアンケート用紙を用いて、中国語を学んでいる大学生を対象にアンケート調査を実施した。アンケート調査には二つのセクションが含まれる。 セクション1は中国語の授業を受けて、何ができるようになりたい(何を勉強したい)のかを尋ねるものであった。もし学習したい項目がアンケート用紙になければ、書き加えるようにと学生にお願いした。セクション2は現時点でどこまでできるかについて、学生たちに自己評価をしてもらうものであった。セクション1において、多くの学生が「身につけたい、是非勉強したい」と判断した項目、セクション2において、「できない、あまりできない」と判断した項目を精選し、暫定的なCan-doリストを作成した。 この時点で、Can-doリストは「コミュニケーション言語活動Can-do記述文」、「コミュニケーション言語能力Can-do記述文」、「方略Can-do記述文」と3種類の能力記述文が含まれ、全54項目のものとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現時点、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、令和元年で作成された暫定的なCan-do リストを精緻化していく予定である。そのため、中国語教育の専門家と一緒に項目の追加、修正、統合を行う。修正を行う際、下記3要素、すなわちどのようなタスクが、どのような言語の質で、どのような条件下でできるかが明確に含まれるようにする。また、他のCan-do リストとの比較を行い、整合性を保ちながら、内容の書き換えや項目の統合を行う。最後に得られたリストの各項目に対して、学生たちの難易度の認識調査を行う。それによって各項目における難易度のレベル付けを行う予定である。 教育/学習目標を明確化にさせることにより、学習者は何を勉強すれば良いのかを認識することができ、学習意欲の向上や自律/自立的な学習に繋がるではないかと期待できる。また、上記の教育実践は学生中心の教育のきっかけになると思われる。学生中心の教育といっても、学生を大学のお客様とみなし、お客様第一主義を推進しようと考えていない。上記の教育実践のように、学生、教員が教育方法の改善について話し合う場を作り、協働することが重要だと考えている。
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Causes of Carryover |
2020年2月、3月に予定していた出張はコロナウィルスの関係で、すべてキャンセルされたため、次年度使用額が生じた。今(5月)もまだ緊急状態が解消されておらず、出張に関する計画は立てられない状況にある。
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