2020 Fiscal Year Annual Research Report
A Study on Factors Influencing the Effectiveness of Practice Using Task Repetition
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18K00826
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
伊達 正起 福井大学, 学術研究院教育・人文社会系部門(教員養成), 教授 (30259858)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | タスク繰り返し / タスク練習 / 流暢さ / タスクタイプ / 効果の転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
調査目的は2つある。1つは、あるトピックに関する発話を繰り返す練習を行うことが、スピーキング能力の育成に有効であるのかを調査することである。もう1つは、こうした練習により、練習していないタイプのタスクのスピーキングに影響を与えるのか調べることである。実験群(12名)には、一語のトピックについて発話する独白タスクを使ったセッションを週に1度、合計5回与えた。その際、毎回異なるトピックを用いた。各セッションにおいて、参加者は同じトピックについて2回発話する練習を行った。グループ2(15名)を比較群とし、セッションを与えなかった。プリテスト(最初のセッションの1週間前)とポストテスト(最後のセッションの1週間後)として、比較群には物語タスク(6コマ漫画でストーリーを作成し発話する)を与えた。一方、実験群には、2種類のテスト(セッションでは発話していないトピックを用いた独白タスクとセッションでは与えていない物語タスク)を与えた。そして、「ポーズの長さ・ASユニット間のポーズの長さ・ASユニット内のポーズの長さ・流暢なランの長さ・発話の割合」という発話の流暢さに関する指標の変化を調査した。 分析した結果、独白タスクに関して2点が判明した。1点目は、すべての指標において、変化は見られなかった。2点目は、両テストで同じトピックについて発話した際、ほとんどの参加者(12名中10名)が、ポストテストではプリテストとは異なる内容について発話していた。さらに、物語タスクについては、次の2点が明らかになった。「ポーズの長さ」については、プリテスト時には比較群より有意に長かった実験群のポーズが、ポストテスト時では有意に短くなっており、比較群との差もなくなっていた。そして、「発話の割合」は、両群ともポストテスト時には有意に大きくなった。
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