2019 Fiscal Year Research-status Report
Learning processes in English as a Medium Instruction: Language use, teacher identity, and cognitive processes
Project/Area Number |
18K00842
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Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
藤井 彰子 国際基督教大学, 教養学部, 准教授 (60365517)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮原 万寿子 国際基督教大学, 教養学部, 講師 (00453556)
森島 泰則 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (20365521)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | *EMI / 教師アイデンティティー / 第二言語処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は高等教育における英語を媒介とする授業(English Medium Instruction、以下EMI)に焦点を当て、学習効果が高く、かつ教員及び大学組織にとって持続可能な教授モデルの提案と検証を目的とする. 具体的には以下の3つの問いを調査するとともに、それらの関係性を検討し、モデル構築を目指す: (1)授業内の言語使用: (2) 教師のアイデンティティー、(3) 第二言語での学習(認知プロセス)。 (1)研究初年度である平成30年度は主に上記(1)言語使用についてのアンケート調査に取り組み、調査結果は令和元年度7月に国内学会で発表を行なった。調査では英語で授業を担当する教員90人のうち、43人からの回答が得られ、英語で専門内容を教授する際に学習の質を担保するためにそれぞれの教員が工夫していることが明らかになったが、一方、単純に語学のレベルでは解決できない課題があることもわかった。日本語母語話者の授業への積極的な参加に関して多くの教員が課題を感じていたことがわかった。今後はEMI授業においてどのようにアクティブ・ラーニングを実現することができるかについてより深く掘り下げる必要があることがわかった。 (2)令和元年11月にはイギリスからEMI及び教員養成の専門家Dr. Heath RoseとDr. Steve Mannを招聘し、二日間のワークショップを開催した。公開講演の他、学内の様々な教員や学生に参加いただき、EMIの授業研究の課題について議論し、授業の内省を行い、また今後の国際共同研究についても意見交換を行うことができた。学生による積極的な参加が一つのテーマとして明確となった。そのために、語学教育の専門教育がどのように連携を取るべきかも重要だという認識が共有された。また、今後の国際共同研究の方向性としては、学習の成果を追う長期視点の研究の必要性が共有された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和元年度は初年度に行なったアンケートによる調査結果を国内の学会で発表することができた。また、イギリスからの研究者を招聘し、11月29-30日にワークショップを開催することができた。成果としては、(1)3人の教員に英語で開講する授業について、Dr. Steve Mannの指導のもと、内省を行なっていただけた、(2)学内の異なる立場の参加者(専門教育を担当する教員、語学教育を担当する教員、授業を履修する学生)がDr. Heath Roseの司会のもとで英語開講授業について様々な問題について討議することができた。(3)今後の国際共同研究の可能性について意見交換を行なった。また初年度に行なったアンケートの調査と合わせて、EMIの実施についての個別な取り組み、大学としての課題など、今後の論文執筆の土台となる知見を多く得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策は以下の通りです (1) 初年度に行なったアンケートの基づき、一部の回答者に対してインタビューを行う。これらをまとめた論文を執筆する。 (2) 令和元年度開催したワークショップの内容にもとづき、論文を執筆する (3)第二言語処理の観点を追求したデータ収集を進める 本年予定しておりました対面でのデータ収集や海外渡航は新型コロナウィルスの影響で中止や延期となる見込みであるので、現在可能な方法でのデータ収集の工夫、また研究成果の発表も文字媒体による論文執筆とし、また海外の研究者ともオンラインで連絡をとり、研究を進めることとする。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの影響で2020年3月に予定していたデータ収集や処理、海外渡航が中止となったため、主にEMIにおける第二言語での学習の認知面の研究に関連する使用額が次年度に見送りとなった。引き続き対面での実験実施及び海外渡航が難しい中、実施可能な形態で進められるよう計画を見直している。
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Research Products
(4 results)