2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K00857
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Research Institution | Hiroshima University of Economics |
Principal Investigator |
宮岡 弥生 広島経済大学, 教養教育部, 教授 (10351975)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
時本 真吾 目白大学, 外国語学部, 教授 (00291849)
時本 楠緒子 尚美学園大学, 総合政策学部, 非常勤講師 (10435662)
Verdonschot RG 広島大学, 医系科学研究科(歯), 助教 (30756094) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 遠隔授業 / 人間の存在感 / eラーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究を開始した当初の目標は、比較的安価に設置できるオンデマンド形式の遠隔授業に焦点を絞り、費用対効果の高い遠隔授業の方法を検討することであった。オンデマンド形式の遠隔授業では、教師と学習者の間で双方向のコミュニケーションがとれないため、学習者の緊張感の持続が課題である。本研究では、この緊張感を創出する要素として人間の存在感に着目し、適度な緊張感を遠隔授業の学習者に与える方法について実験をもとに考察する予定であった。 ところが、令和元年度末に始まったコロナ禍により、遠隔授業を取り巻く環境は激変した。ZoomやTeamsといったテレビ会議システムの普及により、本研究が対象としていたオンデマンド授業より、リアルタイム授業のほうがむしろ一般的となった。そのため、令和2年度前期には、当初の計画にあったオンデマンド授業に加えて、リアルタイム授業も視野に入れて研究計画を変更した。また、実験方法も、当初予定していた行動実験ではなく、脳波測定実験を実施する方向で準備を進めていた。しかし、その途上でコロナ禍になり、令和2年度に続いて令和3年度も実験場所となる大学内での活動が制限される状況が続いた。脳波測定実験は、実験スペースという密室内で実験者と実験参加者が近距離でやり取りする必要があるため、新型コロナウィルスの感染リスクが高い。そのため、令和3年度内の脳波測定実験実施を断念し、研究期間を1年延長することとした。さらに、研究の最終年度となる令和4年度も、コロナ禍が終息せず脳波測定実験が実施できない可能性があることから、実験方法を行動実験に変更した。令和4年5月の時点で、実験デザインおよび実験用刺激の作成、実験に使用する機器の準備が完了している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究では研究開始後に、他大学から高性能の脳波測定機器を借り受けることが可能になった。そこで、より精緻なデータを採取することを企図し、令和元年度後半に、脳波測定実験機器のセッティングを行うなどの準備を進めていた。ところが、令和元年度末である令和2年1月にコロナ禍が始まり、緊急事態宣言および蔓延防止等重点措置が相次いで発令されたことから、実験場所となる大学内での活動が制限され、脳波測定実験が延期に次ぐ延期となった。令和3年度末の段階でコロナ禍が終息していなかったため、脳波測定実験の実施を完全に断念し、研究期間を1年延長した上でコロナ禍でも実施可能な実験方法に方向転換することとした。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度が最終年度であるため、確実に何らかの成果を上げるべく、コロナ感染リスクの低い方法で行動実験を行う。既に実験デザインを再構築し、実験用刺激の作成、実験に用いる機器の購入などが完了している。本年度は、前期中に行動実験を実施し、後期にデータ分析と論文執筆を行う予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により、予定していた実験が実施できなかったため、実験実施のために計上していた費用が次年度への繰り越しとなった。また、研究代表者が所属する大学から、コロナ感染拡大地域への往来を控えるよう求められたため、研究分担者2名が居住する東京に赴いての研究打ち合わせを実施しなかった。そのため、研究打ち合わせ用旅費が繰り越しとなった。また、学会出張のために計上していた国内および海外旅費も使用しなかった。本年度は、実験に要する費用と、可能であれば研究打ち合わせ用旅費を使用することを計画している。
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