2021 Fiscal Year Research-status Report
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18K00865
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
野地 美幸 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (40251863)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 基樹 長野県立大学, グローバルマネジメント学部, 准教授 (60609098)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 自他交替可能な英語の非対格動詞 / 機能範疇v / 教科書分析 / 日本語が母語の英語学習者 / 機能範疇T / tough構文 / 母語の影響 / インプット頻度 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究実績は大きく二つに分けられる。自他交替可能な英語の非対格動詞の第二言語習得に関しては、学習者が自動詞用法を容認せず、受動態を過剰使用する傾向が報告されており、母語と異なる機能範疇vの特性の習得に伴う困難と考えられる。令和3年度は、まず、非対格動詞の自動詞用法のインプット頻度の影響について調べた。中学校・高等学校の英語の教科書分析の結果、先行研究において自動詞用法の容認度が高い動詞については、教科書中での自動詞用法での出現数が多いのに対し、自動詞用法の容認度が低い動詞については、自動詞用法での出現数が少ないことが明らかになった。この結果から、自他交替可能な非対格動詞の習得過程で見られる誤りの原因を考察するにあたっては、それぞれの動詞のインプット頻度を考慮する必要があることが示唆された。この研究成果は2021年11月に開催された日本言語学会163回大会での口頭発表およびその予稿集で公表を行った。 また、日英語のtough構文は、機能範疇Tの特性が異なっており、類似した特徴が見られる一方で、tough構文の主語として生じる要素、そしてまた不定詞として生じる動詞など様々な違いが見られる。令和3年度は令和2年度に引き続き、L1日本語の英語学習者はどのようなtough構文を産出し、その産出は母語そしてまたインプット頻度によってどのような影響を受けるのかについて調べた。その結果は論文としてまとめ、学会誌への投稿も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年度に引き続きコロナ感染状況に影響を受け、研究に費やす時間を確保することが困難であった。予定していた二つの研究のうち一方に関してはその成果を学会で口頭発表・予稿集で公開することができたが、もう一方の研究に関しては学習者コーパスのデータ分析の再確認と教科書データの追加・確認にかなりの時間を要したため、成果を発表するまでには至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
日本人学習者の英語のtough構文の習得研究に関しては、論文審査結果が届き次第、加筆修正等、完成に必要な作業に取り組む予定である。 また、コロナの影響で一時停止を余儀なくされたL2日本語の研究も実現に向けてパイロット研究に着手したいと考えている。
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Causes of Carryover |
令和3年度もコロナの流行の影響を受け、研究計画、旅費の使用等に大きな影響を受けた。一方で、パソコンの使用頻度が増えたためか、キーボードに破損が生じ、誤作動も生じている。 令和4年度はパソコンの購入と共に、コロナの流行の合間を縫って研究打ち合わせも行いたいと考えている。したがって、物品費に加えて旅費もある程度使用する予定である。
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Research Products
(1 results)