2018 Fiscal Year Research-status Report
外国語習得における個人差要因としての音韻的及び視覚的記憶容量
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18K00869
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
近藤 暁子 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 准教授 (90450139)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 第2言語習得 / 学習者要因 / 言語適性 / 作業記憶 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では外国語(英語)の4技能(リスニング・スピーキング・リーディング・ライティング)それぞれに、異なるタイプの記憶力(言語的音韻記憶・非言語的音韻記憶・視覚的記憶)が、どの程度影響を与えているかを明らかにすることを主たる目的としてしているため、研究初年度にあたる今年度は、まず、関連する先行研究の文献研究と学会参加を通して、記憶と外国語習得に関する情報収集を行った。その情報をもとに、研究デザインと手法の再検討と、各技能を測定するためのテストの妥当性・信頼性・実用性の検討のためのパイロット実験を行った。 計画段階では、英語力の測定に外部試験を使用する計画を立てていたが、テスト会社より詳細な分析に必要なスコアが入手できないこと、ライティングやスピーキングの評価の信頼性に問題があることがパイロット実験で示唆されたため、英語力を測定するためのテストの再検討を行う必要が生じた。別の外部試験の検討も行ったが、独自のテストを作成することとし、その作成に取り組んだ。 また、記憶力のテストについては、非言語的音韻記憶のテストについては、信頼性・妥当性・実用性において、本実験での使用に問題がないことが示された一方、言語的音韻記憶及び視覚記憶の測定に使用予定であったAutomated Working Memory Assessment (AWMA)の検討を行ったところ、信頼性と実用性(実験施設の機器との互換性・所要時間)について、本実験での採用には課題があることが分かったため、こちらについても、独自テストを作成することとし、テスト開発に取り組んだ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、当初の計画であった研究デザインの確定と、各能力テストの検討のためのパイロット実験を行うことができたが、計画段階で使用を予定していた、英語運用能力テストと記憶力テストについて、信頼性・実用性に関して、課題があることがパイロット実験で示唆されたため、独自テストを作成することになった。よって次年度の作業内容が増えることになることが予想される。
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Strategy for Future Research Activity |
計画段階では、2019年度は本実験を開始する予定であったが、今年度実施のパイロット実験の結果、各種能力テストを独自に作成する必要が生じたため、テスト開発(英語の4技能測定テスト、言語的音韻テスト、視覚記憶テスト)とそのテストの検討(パイロット実験)を行った後に、本実験を行うこととする。
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Causes of Carryover |
研究デザイン・研究手法を検討するための情報収集目的で、学会に参加したが、その旅費の一部を自己負担したことと、パイロット実験の途中で使用テストの問題が判明したため、実験を一時中断したため、予定していたより、その実験に係る経費が少なくなったため、次年度使用額が生じた。 2019年度は、今年度に判明した問題を踏まえ、外部試験の採用せず、独自に各種能力テストを開発し(英語の4技能テスト、言語的音韻記憶テスト、視覚記憶テスト)、再度パイロット実験を行う費用に使用する予定である。
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