2019 Fiscal Year Research-status Report
外国語習得における個人差要因としての音韻的及び視覚的記憶容量
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18K00869
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
近藤 暁子 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 准教授 (90450139)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 第2言語習得 / 学習者要因 / 言語適性 / 作業記憶 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、外国語習得の習得効率や達成レベルにおける個人差を生み出す要因の1つである、記憶力、特に作業記憶の容量が外国語の4技能の能力にどの程度の影響があるかについて調査することを主たる目的として実施している。3種の異なる作業記憶(音韻的記憶(言語)・音韻的記憶(非言語)・視覚的記憶それぞれの外国語の4技能(リスニング・スピーキング・リーディング・ライティング)に与える影響の大きさを量的に明らかにするため、今年度は各種テストの作成とその予備実験と本実験を行った。 計画段階では、記憶テストと言語テストは、それぞれ外部試験(Automated Working Memory AssessmentとGTEC Academic)を使用する予定だったが、実験施設の機器との互換性、所要時間、提供されるデータの制限と評価に対する信頼性等の問題から、独自にテストを作成した。音韻的記憶(言語)を測定するためのテストを2種類、音韻的記憶(非言語)テストを2種類、視覚的記憶テストを2種類作成した。外国語(英語)4技能の測定に関しては、リスニング3種類、リーディング3種類、スピーキング2種類、ライティング2種類を作成した。また、生育・生活・学習経験について調査するアンケートも作成した。今回作成したテスト及びアンケートはすべてコンピュータで受験できるテスト形式にした。作成したテストの予備実験を行ってから、予定していた人数より多い、163人の被験者に本実験に参加してもらい、記憶力テストと、外国語(英語)のテスト、及びアンケートを実施し、研究データを収集した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、予定していた実験テストの作成と本実験を行うことができた。本実験では、計画していた人数より多い163名の被験者の協力を得ることができたが、その人数分のデータ収集に時間がかかったため、今年度予定していた収集したデータの分析を次年度に行うことになった。また、テスト結果をもとに、個別インタビューを実施する予定だったが、コロナウィルス感染拡大防止のために実施を見合わせた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度収集したデータの分析と考察を行い、研究成果の発表準備を行う。研究計画段階では、最終年度に研究結果を学会等で発表することを予定していたが、コロナウィルス感染拡大防止のため、各種学会が中止または延期になっているため、論文による発表ができるよう準備する。
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Causes of Carryover |
本研究に係る本実験を12月から3月に実施し、163名の実験協力者に対して謝金を支払ったが、その支出の処理が、所属組織の会計事務処理の関係で、今年度の実績報告書の収支簿に計上されず、次年度4月に計上されるため、差額が生じた。
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