2019 Fiscal Year Research-status Report
ペアリハーサルとピアレビューを用いた英語対話能力育成プログラムの開発と効果検証
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18K00871
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
長崎 睦子 愛媛大学, 教育・学生支援機構, 准教授 (90406546)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
折本 素 愛媛大学, 教育・学生支援機構, 教授 (20194649)
ARMITAGE KRISTIN 愛媛大学, 教育・学生支援機構, 助教 (70765809)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ペア・リハーサル / 個人リハーサル / コミュニケーション能力 / 会話ルーブリック |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,グローバル社会で活躍できる大学生の育成を目標に,その基盤のひとつとなる英語コミュニケーション基礎力を確実に身につけさせる指導法とその効果を測定する評価法を確立することを目指す。さらに,その指導法および評価法の枠組みを基に,現代の社会的諸問題について議論できる英語の発展的対話能力の育成も図る。その実現のために,次の3つのプロジェクトを実施する。(1)授業(ダイアローグ(対話)の発表)と授業外学習(個人&ペアでのリハーサル)を有機的に結び付けた英語コミュニケーション能力を育成する学習指導方法の実践と改善 (2)英語コミュニケーション能力を評価するための独自のスピーキング・ルーブリックの作成と改善:より妥当性・信頼性の高い評価法の確立 (3)英語習熟度の高いクラスでの発展的取り組みの実践:ディスカッション能力の育成 研究1年目(平成30年)には,国立大学1年生の必修英語科目2クラスに,個人およびペアで行うリハーサル法を取り入れ,英語コミュニケーション力の向上にどのような効果をもたらすのかを検証し,研究2年目(令和元年)では,その成果を学会や論文にて発表した。また,英語習熟度の高い発展クラスに,リハーサル法を取り入れ,その効果を検証すると同時に,リハーサル直後に行う個人でのレビュー(振り返り)や発表後にクラスメートからフィードバックをもらうピアレビューがコミュニケーション能力にどのような影響を与えるかについても調査した。これらの研究2年目(令和元年)に実施した研究については,「現在までの進捗状況」にて詳しく報告する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究1年目の個人・ペアリハーサルの効果を調査した研究では,個人・ペアリハーサル共に,リハーサル回数が増えれば増えるほど,英語コミュニケーション・テストの点数が伸びることが分かった。具体的には,個人リハーサルは,ルーブリック観点の「考えや意見を述べる能力」(Expressing thoughts & opinions)と「語彙力」(Vocabulary)の向上に効果があることが分かった。また,ペアリハーサルは,「会話を挨拶で始め閉める能力」(Greetings & Closings)と「会話への態度」(Attitudes)の向上に効果があることが明らかになった。この成果は,令和元年8月に国際学会(第58回JACET国際大会)にて口頭発表した。また,成果をまとめた論文が令和2年4月1日に国際誌 (RELC Journal)に掲載された。 2年目の研究(令和元年)では,英語習熟度の高い2つの発展クラスに,個人・ペアリハーサル法を取り入れ,その効果を検証すると同時に,リハーサル直後に行う個人でのレビュー(振り返り)や発表後にクラスメートからフィードバックをもらうピアレビューが英語スピーチやコミュニケーション能力にどのような影響を与えるかについても調査した。現在は,2年目に実施した研究の分析に取り組んでおり,当初の予定通り順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は,研究最終年となる。まず2種類の評価ルーブリック(スピーチと会話)を改善し,2年目の研究で収集したスピーチおよび会話テストを評価する。次に,(1)個人レビューとピアレビューについて報告した学生ノート,(2)アンケート調査,(3)インタビューの結果をまとめ,量的・質的の両面から,個人レビューとピアレビューの効果を分析する。 最終年度であるため,予備研究も含めた3つの実証研究成果をまとめ,学会や論文で発表するだけでなく,ワークショップ(一般公開)を積極的に行うなど,広く成果を発表したい。
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Causes of Carryover |
主な理由としては,昨年度末からCOVID-19の影響で,当該年度に参加予定であった学会が開催されず、旅費に予定していた予算があまった。現在,COVID-19の影響で,全ての授業は遠隔授業になっており,しばらくこの状況が続くものと思われる。本研究は,授業内活動を通してデータを収集しているため,遠隔授業でも、研究に必要なデータが収集できるよう,当初,最終年には購入を予定していなかったノート型パソコンを,購入する予定である。
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Research Products
(3 results)