2019 Fiscal Year Research-status Report
Developing Effective Approaches to Acquire Vocabulary on the Basis of Analytical Research on Vocabulary Competence to Promote Reading Comprehension
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18K00883
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Research Institution | Tsuda University |
Principal Investigator |
田近 裕子 津田塾大学, 総合政策学部, 教授 (80188268)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊嶋 朗子 都留文科大学, その他部局等, 准教授 (20527717)
奥脇 奈津美 津田塾大学, 総合政策学部, 教授 (60363884)
野田 小枝子 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (60408474)
星野 徳子 津田塾大学, 学芸学部, 准教授 (70609841)
齊藤 涼子 白百合女子大学, 文学部, 教授 (90758509)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | vocabulary / reading comprehension / task / ICT / pedagogy |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度の主な実績は、前年度に収集したデータ(実験参加者59名)に関して、未知語推論の手がかりと推論の妥当性の関係についての定量的分析を行ったことと、サマリーライティングに関する質的分析を行ったことである。また、それに関連して海外(カナダ)からProf. Hossein Nassaji を招聘して広く一般の研究者や学生とで講演会を行った。 定量的データの分析においては、未知語の推論において、実験参加者が手掛かりとしたと考えられる項目をコード化し、さらに未知語の推論の妥当性のレベルのコード化も行った。すなわち、語の推論により妥当な意味に到達できるためには読み手はどのような手がかりを用いるのか、その手がかりと推論の成果の妥当性は相関関係があるのかである。今回の物語文テクストで、実験参加者の英語のレベルにおいては、特に強い相関性は見出されなかった。以前の実験では、かなり高度な説明文の読解における未知語の推論においては、手がかりの複合的活用に有効性が見出されたが、今回の平易な物語文で語彙のレベルも統一されているテクストにおいては、前回と同じ傾向はみられなかった。 なお、サマリーライティングの質的分析では、コ―ディングにあたり、サマリ―作成ではなく、読解がどこまでなされているかを重視した。この分析では、テクストが読めているかどうかと未知語の推論の成果とがどう関わるかを明らかにすることであるが、現在分析中である。 また、カナダの University of Victoria より Prof. Hossein Nassaji を招聘し、 Interactional Feedback for SLA Researchers and Those with a TESOL Backgroundと題して2019年6月22日に講演会を開催し、その前後の研究会で語彙研究に関する多くのインプットを得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究はおおむね予定したように進展しているが、いくぶん遅れが出ているのは、質的データの分析および、語彙指導の実践を行う予定であった点である。これは、いずれも、2019年度末から2020年度始めにかけて、Covid-19ウィルス拡散の影響で、担当授業等のオンライン準備に時間を要したこと、および本研究において、特に語彙指導の試みに参加して欲しい大学生を集めることが難しく、これらの点で困難をきたしている。ただし、そろそろCovid-19も落ち着き始めるので、おそらく夏にかけて迅速に予定をこなすことができるであろうと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、Covid-19の収束を期待しつつ、少しでもtaskや実践的教授法開発を推進できるよう、実験参加学生をつのり、できるだけ三密を回避しながら、社会的に問題の無い形で、ワークショップなどを開催することで、望ましい語彙指導の教授法を開発していく予定である。 昨今の社会情勢を考慮して工夫できるのは次の2点であると考えられる。Covid-19ウィルスの影響はまだまだ容易にはゼロにはならないことを考慮して、従来の研究成果として報告されているtaskや教授法について近年報告されている文献研究を通しても、できるだけ多くの成果を挙げていきたいと考えている。また、世界的に今回のような非常事態が起こり得ることを考えると、語彙指導のあり方として、オンライン教材を念頭にいれた教授法の開発も期待されるのではないかと思われる。
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Causes of Carryover |
2019年度末に予定していたデータ分析と2020年度に向けて準備を予定していた実践的教授法開発のためのワークショップをCovid-19の影響で実施できず、予定していた額を使用しきれなかったため。
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Research Products
(3 results)