2019 Fiscal Year Research-status Report
高等学校英語科教科書の分析を基にしたインプットからアウトプットにつなげる教材開発
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18K00884
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
杉浦 理恵 東海大学, 国際文化学部, 教授 (60413738)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 典子 高知大学, 教育研究部人文社会科学系人文社会科学部門, 教授 (30510292)
Hamilton Mark・C. 東海大学, 国際文化学部, 教授 (40347795)
Dean Eric・S 東海大学, 国際文化学部, 准教授 (00581068)
アシユクロフト ロバート 東海大学, 国際文化学部, 講師 (20631790)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 教科書分析 / タスク / インプット / アウトプット |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日本の高等学校の英語教科書で扱う英文を学習者が得るインプットとして分析し、インプットを効果的にアウトプットにつなげるための方法 を検討し、具体的なアウトプット活動を提案することである。特に、教科書を「リーダビリティ」、「語彙レベル」、「タスク性」、「求められる思考力の深さ」とい う大きく4つの観点から分析し、教育現場で実践できる活動を提案するための研究である。 研究初年度である2018年度は、日本の高等学校の「コミュニケーション英語Ⅰ」、「コミュニケーション英語Ⅱ」の授業で使用されている教科書の中から、各学年6社から出版されている教科書 (計12冊) を対象として分析を行った。分析にあたっては、教科書本文の英文をインプットの分析対象として、読みやすさの指標である「リーダビリティ」と、語彙の観点から分析した。語彙レベルについては、語彙分析のソフトウェア (Lex Tutor) を用いて、使用頻度が高い語彙が教科書の各レッスンでどの程度使用されているかを分析した。アウトプットについては、各レッスンのアウトプット活動を「タスク性」と「求められる思考力の深さ」の観点から分析した。「求められる思考力の深さ」については、「ブルームの教育目標の分類学」の視点を用いて分析を行い、今後どのようなアウトプット活動が高校生に必要であるかを検討した。2018年度にはこの分析結果について口頭発表を行った。また、2019年度には、理論的背景や先行研究を踏まえ、論文として公表した。 2019年度は、教科書分析の結果をもとに、インプットとアウトプットを関連付けた教材を作成し、高等学校の協力を得て授業で実際に使用し、生徒の教材への取り組みに関するアンケートを実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究初年度は教科書の分析を実施する計画であった。2018年度は当初の計画どおり分析を進め、その成果をまとめ、2019年2月に開催されたシンポジウムで発 表した。教科書分析の結果から、今後求められるインプットとアウトプットを関連付けた言語活動の方向性を確認することができ、教材開発に取り組むことが可 能となった。また、研究2年目である2019年度は、2018年度に実施した教科書分析の結果を、理論的背景や先行研究を踏まえて論文としてまとめ公表した。さらに、高等学校の教科書に基づいたインプットとアウトプットを連携させた活動を作成し、高等学校2年生を対象に実践した。当該授業を受けた生徒を対象に、授業内容の理解度や意欲についてのアンケートを実施し、既に分析を終えている。以上のことより、本研究課題は概ね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の最終年度である2020年度は、2019年度に高等学校の授業で教材を使用した結果を学会で報告する予定である。また、本課題研究の成果を総括し、論文としてまとめて公表する計画である。 研究成果を高等学校の英語授業に貢献できるように、インプットとアウトプットを関連させた単元を、高校1年1学期、2学期、3学期、高校2年1学期、2学期、3学期という形で提案する冊子を作成し、英語科教員に配布することを計画している。
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Causes of Carryover |
課題研究の成果をまとめる論文執筆と、高等学校の授業で実際に教材を使用した際のアンケート結果の分析に時間を要したため、冊子作成のための教材開発に使用する計画であった助成金を、次年度に使用することとした。また、新型コロナウィルスの影響で、予定していた研究代表者と研究分担者の対面での会議や資料収集を次年度に延期したという状況がある。 次年度は、本課題研究で作成した高等学校で使用可能な教材を冊子としてまとめることを計画しており、そのために助成金を使用する計画である。また、課題研究の最終年度であるため、研究成果を学会で報告し、論文としてまとめて公表する。そのために助成金を使用する計画である。
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Research Products
(1 results)