2020 Fiscal Year Research-status Report
グローバル人材育成を目指した学習環境モデル構築のための総合的研究
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18K00892
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Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
伊東 田恵 豊田工業大学, 工学部, 特任准教授 (40319372)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 有香 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40341226)
内藤 哲雄 明治学院大学, 国際平和研究所, 研究員 (20172249)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 短期海外留学 / 学習環境 / 動機づけ / セルフ・アクセス・センター / 自律学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、英語コミュニケーションと異文化交流の場であるセルフ・アクセス・センター(以下センターとする)での活動が参加者に与える影響について、PAC分析を用いて広範に探索し、3つの事例を考察した。調査対象者はそれぞれ異なる英語体験を持つ学生3名(大学生A(男):センターでのコミュニケーション活動に継続的に参加。大学が提供する短期英語留学(4週間)に参加、大学生B(男):コミュニケーション活動に参加経験なし。短期英語留学は参加、大学生C(女)コミュニケーション活動に継続的に参加。短期英語留学は参加経験なし)である。クラスター分析からそれぞれの意識変化や行動変容を探索した。大学生Aは英語コミュニケーションの自信を得て積極的に外国人と関わったり,主体的に行動ができるようになったと感じ、センターでの活動体験が留学の効果を最大限に活かしたと考えている。大学生Bは、自身を典型的な日本人学生として捉え、積極的なコミュニケーションに踏み出せないもどかしさを感じながらも、現地での授業や交流から多くの学びを得て、今後の課題を明確にした。大学生Cは、内向的な性格で英語にも自信がなく、受け身の態度を自覚していたが、小さな成功体験を積み重ねることで自信を付け、相手を楽しませるコミュニケーションを心掛けるまでに至った。さらには未知の世界も恐れないチャレンジ精神をも獲得したと感じている。大学生Bが留学をより有意義にするために事前に学べばよかったと感じたことは、センターの英語コミュニケーション活動への参加でほぼ補完できる。これらの3つの事例研究から、センターの活動への参加が留学の効果を最大化する可能性と、短期留学などでの英語・異文化体験がなくとも、国内で異文化や外国人と触れ、英語への恐怖と苦手意識が克服でき、加えて英語のみならず人との関わり方やコミュニケーションのスタイルにも影響を及ぼす可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年度は新型コロナウィルスの感染拡大から参加を予定していた学会が中止・延期になったり、他大学の現地調査や面接調査が計画通りに実施できなかったなどで研究に遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は他大学の現地調査を行う。各大学固有のシステムとその効果を、質問紙と聞き取りによる調査を行い、コロナ禍での活動形態の変化についても調査する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は新型コロナウィルスの感染拡大による移動制限で、発表を予定をしていた国際学会が開催延期になったことと、調査対象であるセルフ・アクセス・センターがほぼ稼働せず、現地調査を行えなかったことである。次年度は本年度行えなかった調査を行う予定である。
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Research Products
(3 results)