2020 Fiscal Year Research-status Report
スピーキングテストの妥当性検証に基づいた英語カリキュラムの開発に関する実証的研究
Project/Area Number |
18K00893
|
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
清水 裕子 立命館大学, 食マネジメント学部, 教授 (60216108)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大和田 和治 立命館大学, 食マネジメント学部, 教授 (00288036)
POND Chris 立命館大学, 言語教育推進機構, 講師 (50851094)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 英語スピーキングテスト / 妥当性検証 / 外部テストの活用 / classroom assessment / 教材開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、4年制大学の非英語専攻領域での英語プログラムにおける初年次学習者を対象に導入したスピーキングテスト(外部テスト)の妥当性の検証を行うことを目的としたものである。前年度と同様に入学直後と初年次の英語プログラムの終了時にスピーキングテストを実施し、コンピュータによるスピーキングテストの受験経験に関する意識調査の結果をもとに、量的分析を進め、一部の受験者への面接調査による量的分析も実施する予定であった。しかし、コロナ禍のもとで4月のスピーキングテストそのものの実施が叶わず、また12月実施についても、4月との比較検討ができないことから、意識調査および面接調査を断念した。そのため、発信力を中心とした授業の観察をもとに教材開発に関する研究および具体的な開発を継続しながら、前年度までに得られた情報と開発した教材を使用した授業実践をもとに、学会発表および論文発表を行った。具体的には、カリキュラムと外部テストの関係についての論文(OWADA and SHIMIZU, 2020)では、今までのデータをもとに、外部テストで補えない構成概念をカリキュラムで補完することの必要性をまとめ、その具体化したものとして、学習者の英語での発信力を高める科目におけるプログラム評価に関する報告を行った(POND, OWADA, and NAKAI-LEON, 2020)。 なお、本研究は2020年度が最終年度であったが、コロナ禍でデータ収集ができなかったため、基金・継続課題としての申請を行い、延長許可を得て2021年度を最終年度として研究を進める。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度は、新型コロナウイルス感染拡大に対する対応として、休講措置や対面授業の中止により、本研究での中核となるスピーキングテストの実施および意識調査、面接調査ができず、そのため新たなデータが得られなかったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究期間の延長許可を得られたことで、今年度が本研究課題の最終年度となるが、新型コロナウィルスによる措置の影響で、本年度も国内外の学会が制限されている中、本研究の総括となるような実践報告ができるよう努める。 データ収集に関しては、1回生の入学直後のスピーキングテスト実施を4月末から5月上旬に、また英語プログラムの終了時の実施を12月~1月に計画しているが、本研究の開始時に想定していた対面授業の中で、CALL教室のもとでの受験体制を整えることは困難であるため、各自がスマートフォンを活用した受験となり、受験方法の受験者への徹底を含め、受験率の確保に努めながら実施していく。テスト直後の質問紙調査については、対面受験での実施でないことへの意識や、教育におけるデジタルシフトの方向性を見据えた項目の導入を検討している。また、スピーキングテストでの成績の伸びが見られた学生を抽出し、面接調査をもとにした質的研究を行う予定である。 授業実践面では、動画も含めた教材開発を進めながら、音声での産出活動を中心とした科目間での教材および指導内容の連携を図り、教室レベルでの学習効果と外部テストを使用することの妥当性を引き続き検証していく。特に、指導の中での発話へのフィードバックに関しては、教師からのフィードバックと学習者からのフェードバック(ピア・アセスメント)および自己評価の効果についても検証していく。これらの結果をもとに、非英語専攻の学習者を対象とした英語プログラムの中での外部テストのあり方と指導の連携の必要性に関する提言に加え、実施における具体的な課題を追及していく。
|
Causes of Carryover |
次の2点が主たる理由である。 ①2020年度において、面接調査が実施できなかったため、それに関わる謝金等が発生しなかった。②発表を計画していた国内外の学会が、コロナ禍のために中止となり、旅費の執行がなかった。 2021年度については、質的分析のためのソフトウェアの購入と謝金および動画教材の作成のための機器の購入に加え、学会発表のための旅費として予算の使用を計画している。
|