2020 Fiscal Year Annual Research Report
The Research on the Process of Thoughts by Lei Zhen, the symbol of the Taiwan Democracy :The Period of studying in Japan and serving as a Government Official in China, and editing "Free China".
Project/Area Number |
18K00911
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
工藤 貴正 愛知県立大学, 外国語学部, 教授 (80205096)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 張我軍 / 大正生命主義 / 殷海光 / 『自由中国』 / 文化伝統 / 文化変容 / ノスタルジア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題「台湾民主の銅像・雷震の思想歴程研究」は本来雷震の(1)「日本留学期における人権・民主・憲政思想の初期的形成」、(2)「中国大陸での役人期における文人・文化活動(詩作、義務教育運動、文字改革運動)によるリベラリズム思想の熟成」、(3)「『自由中国』期における人権・自由・民主思想の確立と実践」の3つ時期について、彼の思想形成の歴程を明らかにすることを企図していた。 2020年度は、雷震の(2)「中国大陸での役人期における文人・文化活動」の内容を解明するため、北京と上海で資料収集をし、手つかずにあるこの領域の雷震研究の新境地を切り開くことを企図していたが、コロナ禍の影響より、予定していた海外出張は断念した。 そこで、本年度は、2018年度と2019年度の2年間で、台湾で行った資料調査と3回の国際学会での発表によっておおかたの成果を得ていた二つの研究、すなわち「大正生命主義」との関わりで、張我軍における「日本」と「中国」とはどのような意義を有したかを考察した研究成果と、京都帝国大学在籍中に修養した人権・憲政・法治観念を基盤に、台湾に渡り『自由中国』編集時期に、蒋介石独裁政権との抗争の中で円熟させた人権・自由・民主・立憲思想を論じた研究成果とを、正式に学術論文として加筆・訂正を加え整理し公表することに努めた。その結果、下記の2篇の論文を印刷公刊することができた。 ①張我軍と大正生命主義―時代の転換期の翻訳は何を伝えたか―、単著、『愛知県立大学外国語学部紀要』(言語・文学編)第53号、2021年3月、191~214頁、②雷震回想録『我的学生時代』と大正主義の時代―〈ノスタルジア〉・〈文化伝統〉・〈文化変容〉の視点から、単著、『愛知県立大学大学院国際文化研究科論集』第22号、2021年3月、79~106頁
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Research Products
(2 results)