2020 Fiscal Year Annual Research Report
Historical research on people dying in streets(Yukidaore) , social supporting and administrative relief for them since early modern times to modern times in Japan
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18K00948
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Research Institution | The Institute of Buraku Problem |
Principal Investigator |
藤本 清二郎 公益社団法人部落問題研究所, その他部局等, 研究員 (40127428)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹永 三男 公益社団法人部落問題研究所, その他部局等, 研究員 (90144683)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 行き倒れ / 旅人病人 / 乞食・非人 / 善光寺 / 行旅病人・行旅死亡人 / 戦前・戦時体制下東京 / 木賃宿 / 浮浪者 |
Outline of Annual Research Achievements |
近世の分野に関して藤本は、信州・善光寺周辺地域の追加調査を実施し、近世の善光寺とその周辺地域における参詣や出稼ぎ等の移動の特徴、および行き倒れ現象と地域での救済、さらに(例えば芸州からの)参詣移動者の家族構成・経済状況を分析し、19世紀段階の行き倒れと移動の特質を検討し、論文にまとめた。中部地方、真宗地帯の特質を解明した。また畿内・中国地方・中部地方における非人・乞食の行き倒れへの対応の特徴を整理し検討した。研究協力者町田は四国遍路と行き倒れの関係について、塚田は大坂道頓堀周辺の非人行き倒れに関する論文を発表した。 近代では竹永が、全国最多の行き倒れ発生地である東京の分析を行った。8月のオンライン研究会で、戦前・戦時体制下の東京における「行き倒れ」の実態と構造について報告し、また行き倒れに至る人々の予備軍である「行旅病人」「木賃宿」止宿者と「浮浪者」に関する東京の実態調査を検討した論文を発表した。 本研究は2015~2017年度基盤研究(B)「行き倒れに関する国際比較地域史研究―移動する弱者の社会的救済・行政的対応の分析」(藤本代表)を継承しており、それらの成果を含めて報告書『近世・近代の日本における「行き倒れ」とその救済の歴史的特質の究明―国際比較を加味して―』を3月末に刊行した。この論文集は3部構成(「前近代日本の行き倒れと家族・共同体―移動の視点―」「近現代日本の救貧と法制―弱者・病者の視点―」「世界の救貧―比較の視点」)とし、「総論 『行き倒れ』―移動する弱者とその救済―」を付し、日本古代・中世からの変化、近現代への展開、転換を整理し、清国・後期及び植民地朝鮮・イギリスと日本の異同についても検討した。年度末には基盤研究(C)「子どもの命と人権に関する地域史研究」(大杉由香代表)とオンライン合同研究会で、藤本・竹永・塚田・町田が報告し、今後の研究課題を展望した。
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Research Products
(17 results)