2018 Fiscal Year Research-status Report
都市部における教職員組合運動と教育実践-大阪・京都・奈良の比較史的考察-
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18K00949
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Research Institution | The Institute of Buraku Problem |
Principal Investigator |
坂井田 徹 (森下徹) 公益社団法人部落問題研究所, その他部局等, 研究員 (40529921)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 社会運動史 / 地域社会史 / 教育史 |
Outline of Annual Research Achievements |
本科研を推進するため、研究代表者森下徹を中心に、研究協力者ほかの参加を得て、関西教育労働運動史研究会を組織した。そのもとに大教組班(班長:森下徹)・奈教組班(班長:研究協力者竹末勤)・京教組班(班長:研究協力者富山仁貴)の3つの調査班を設け、関連史料の所在確認・概要把握と基礎的な史料整理作業に取り組んだ。 大教組班では、大教組書記局が所蔵する未整理文書の整理作業に着手したほか、野名龍二氏(元泉北教組・堺教組)、辻田政信氏(元泉北教組・泉大津教組)、藤並行三氏(元泉北教組)など教員個人所蔵資料の所在確認および聞き取り調査を行った(計9回)。奈教組班では、奈教組文書の史料整理をすすめ、約9500点の目録化が完了した。また、安川重行文書や吉野郡教組文書など関連史料の収集をはかった(計1回)。京教組班は、京丹後市教育委員会が所蔵する奥丹後教組文書について現地調査し、基本資料の収集をすすめた(計1回)。また、3班合同で部落問題研究所所蔵の同和教育や平和教育に関する教育実践資料を閲覧した(部落研担当:研究協力者西尾泰広。計1回)。 以上の資料調査の成果を踏まえ、研究協力者である竹末勤が、第56回部落問題研究者全国集会(2018年10月27日。於:同志社女子大学)において、「地域における民主主義の成長と部落問題の解決過程 ー1970~80年代の奈良県を事例に」と題して報告する機会を得た。また、研究代表者森下は、論文「地域におけるイラク反戦運動」を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大教組班・奈教組班・京教組班の3つの班いずれも、関係機関の理解と協力のもと、史料の概要把握と史料整理(目録化作業)に取り組んでおり、おおむね順調に進捗している。 今後は、府県教組の本部資料だけでなく、支部・単組の単位の資料や組合役員個人所蔵の資料についても、情報収集と概要把握を進める必要がある。 また、3班の調査を有機的に関連させ、大阪・奈良・京都における教組運動と教育実践の比較検討を始める必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に引き続き、大教組班・奈教組班・京教組班の3班体制で研究を推進する。府県本部レベルの資料だけでなく、支部・単組レベルあるいは教員個人レベルで所蔵する資料の概要把握と現地調査を行い、資料整理をすすめる。また、立教大学共生社会研究センター等関係機関での資料収集を行う。 以上の資料について、各班毎あるいは3班合同により分析をすすめ、大阪・奈良・京都における教育実践の展開を、子どもや父母の生活実態や教員・学校が置かれた地域社会および社会運動との関わりの中で比較するとともに、社会運動の展開を教員の教育実践や地域社会構造の深みから捉え直し、教育実践と社会運動との総体的把握を目指す。
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Research Products
(2 results)