2021 Fiscal Year Research-status Report
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18K00971
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Research Institution | University of the Sacred Heart |
Principal Investigator |
土田 宏成 聖心女子大学, 現代教養学部, 教授 (00364943)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 災害 / 日本近代史 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年6月19日、第41回土木学会土木史研究発表会において、「大正6年東京湾台風災害への対応に関する基礎的研究―東京府を中心に―」と題する発表を行った。発表の内容は、『土木史研究 講演集』Vol.41(2021年)に掲載されている。1917年に発生した東京湾岸を中心とする強風と高潮による被害と、それへの対応、その後の災害対策の見直しについて論じた。第一次世界大戦期のインフレを反映し、災害後に物価高騰対策が取られたことや、井上友一東京府知事の意見書などにより災害経験を踏まえた法改正が行われたこと、その後に講じられた高潮対策が関東大震災後の復興事業にも影響を与えていることを明らかにした。 首都圏形成史研究会小研究会「首都圏災害史研究会」のメンバーと協力して作成していた「首都圏災害史年表」のうち、幕末・明治編(暫定版)を首都圏形成史研究会のウェブサイトに公開した。 2021年10月2日に首都圏形成史研究会第118回例会において、「首都圏災害史研究会」のメンバーとともに「明治43年大水害研究の課題」と題して発表を行った。同水害に関する共同研究の中間報告である。明治43年大水害に関する先行研究の整理と課題、地域における被害の概要と特徴および横浜と山梨の事例を取り上げ、討論を行った。その後、「首都圏災害史研究会」では、12月26日、2022年3月26日にミーティングを開催、同水害の研究をさらに進め、「(仮)明治43年関東大水害の研究」と題する論集の刊行に向け、準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止を目的として、図書館・公文書館などでサービスが停止、または制限されていたため、研究を進めるうえで重要な史料や参考文献の閲覧に支障が生じたことが主な理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止を目的とした行動制限が緩和され始めているため、特にこれまで控えていた各地の図書館・公文書館への出張調査を実施する。 首都圏形成史研究会小研究会「首都圏災害史研究会」メンバーと共同で作成している「首都圏災害史年表」についても、完全なものでなくとも、利用に耐えると判断されたものから暫定的にインターネット公開し(すでに幕末・明治編は公開)、漸次、更新していくという方法を採る。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症感染拡大防止の観点から、史料調査のための出張を中止、または延期せざるを得なかったことや、大学内で実施してもらう学生アルバイトによる作業も本格的な実施に至らなかったこと、対面による研究会を実施しなかったことが主な理由である。 新型コロナウイルス感染症感染拡大防止のための行動制限が緩和されたことから、これまでできなかった史料調査のための出張を再開し、学生アルバイトによる作業も本格化させる。
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Research Products
(3 results)