2020 Fiscal Year Research-status Report
The Development of Cotton Industry in Early-Modern Japan: The Domain Authority and Local Communities in Himeji
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18K00974
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Research Institution | Tokyo Future University |
Principal Investigator |
山崎 善弘 東京未来大学, モチベーション行動科学部, 准教授 (60582509)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 慶一郎 大阪商業大学, 総合経営学部, 教授 (60267862)
金子 哲 兵庫大学, 共通教育機構, 教授 (80330497)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 姫路藩 / 藩政改革 / 木綿専売制 / 地域社会 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度も姫路藩領における綿作・綿織物業の発展を、姫路藩の藩政改革とその後の木綿専売制との関係から分析し、地域経済の発展に果たした姫路藩の役割について検討することを主な課題とした。 第一に、昨年度に引き続き、姫路藩領最大級の木綿問屋であるとともに、大庄屋を務めた大西家(兵庫県加古川市)に所蔵されていた文書(現在は東京未来大学図書館所蔵)のうち、未整理史料の目録作成を行った。一昨年の調査において発見した、巨大木綿問屋である大西家を核として一つの地域経済圏が形成されていたことを示す史料群を中心に、目録作成、さらには写真撮影も並行して行った。 第二に、上記の目録作成と並行して史料分析を進めた。その際、昨年度までに調査が終了した藩政改革下での綿作の奨励と木綿専売制に関わる史料群の分析を併せて行うことで、綿業をめぐる姫路藩の動向と大西家を核とした地域経済圏の形成が、有機的な関連性をもって立ち現れ出し、本研究の目的が達成されつつある。 第三に、大西家の木綿問屋などに対する資金調達機能の実態解明も継続して行った。ただし、コロナ禍のため研究代表者をはじめ、研究分担者の行動が制約されることがあり、いまだ十分な成果を得るには至っていない。来年度の課題としたい。 全体としては、本研究が本格的に軌道に乗り出しており、コロナ禍に起因する制約を受けつつも、当初の計画を大きくそれることなく、研究を遂行できている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記のように、コロナ禍に起因する制約を受けていることは否定できないが、研究代表者の勤務先大学に大西家文書が所蔵されており、研究代表者については史料調査などを行うことに大きな支障はない。また、研究分担者が史料調査を行うことが困難となったものの、適宜研究代表者が史料の撮影を行い、そのデータをやり取りすることで、研究分担者も調査・研究を進められている。何より、計画通りに姫路藩の動向に関する史料調査を終えていたことは、研究を進める上で幸いしている。 その意味で、研究に遅れが生じていることは確かだが、当該年度においても、おおむね順調に研究が進展していると判断するものである。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍の状況次第であるが、上記の研究の進展状況を踏まえながら、今後も研究分担者・協力者、さらに大学院生らの協力を得て、交付申請書に従って研究を進める予定である。
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Causes of Carryover |
予定していた調査出張が、緊急事態宣言によって困難となり、次年度使用額が生じた。 今年度中のできるだけ早い時期に調査出張を行う予定であり、翌年度分として請求した助成金については、研究を進める上で間違いなく必要なものである。
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Research Products
(5 results)