2020 Fiscal Year Research-status Report
戦時期タイにおける日本の宣伝機関の進出と活動：タイ・日・英語史料からのアプローチ
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18K00975
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| Research Institution | Aichi University |
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Principal Investigator |
加納 寛 愛知大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (30308712)
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2018-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | プロパガンダ / タイ / 大東亜共栄圏 / 南進政策 / 宣伝機関 / 東南アジア / 多言語 / 文化政策 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、2019年度末に引き続き、コロナ禍のために海外出張が不可能となり、当初の予定にあったような海外における史資料収集ができなかった。また、国内における出張も制限があったため、なかなか出張による史資料収集も進まなかった。これらは、本研究の本質が、日本における史資料に並行して日本の宣伝活動の一つの目的地としてのタイにおけるタイ語史資料や、あるいは日本に対峙したアメリカやイギリス側の史資料を比較しながら日本の宣伝機関等の進出状況を立体的に描き出そうとするものであったことを考えれば、研究計画の遂行において本質的な部分にかなり大きな影響をもたらすことになったといえる。
一方、日本国内の古書店からの史資料収集に関しては、従来通りのペースで順調に進めることができた。とくに2020年度において『太陽』、『東光』、『SUNRISE』といった対外プロパガンダ雑誌の収集を継続できたことにあわせて、『思想戦講座』等の同時代の思想戦関連資料や、当時のタイ進出日本関係機関が列挙されている『泰国憲法発布記念博覧会に於る国際優良商品見本市報告』や『大東亜写真年報』等の収集ができたことは、大きな成果であった。これらについては、著作権に問題のないものについては、順次、ウェブサイトにおいて公開をしていきたい。
また、コロナ禍において移動が制限されたことにともなって、これまで収集した史資料の整理や読解を進めることができ、また研究全体を捉えなおす機会ともなった。その成果として、日本の対タイ宣伝媒体において商業広告がどのように掲載され、日本の企業進出がどのように行われたかについての研究成果を論文として発表できたことや、日本の各種組織がどのようにタイに進出していったかについて現在の研究状況を総括し今後の研究を展望する論文を発表できたことは、2020年度の成果として挙げられる。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度末から2020年度にかけて、予定していた海外出張が不可能となってしまったことによって、タイやアメリカ等における史資料収集を進めることができなかった点では、本研究課題の進捗は遅れていると評価せざるを得ない。その一方で、国内における史資料収集は順調に進めることができ、またこれまで収集した史資料の整理や読解を進められたことでは、研究課題は進捗したということが可能である。また、研究課題全体を捉えなおすことにより、論文２本を発表できたことは、研究課題の進捗といえる。これらを総合すると、本研究課題の進捗については、「やや遅れている」と評価するのが妥当であると考える。
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| Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍の状況を見ながらではあるが、本研究課題の進捗が遅れている部分を集中的に推進するため、海外出張を実施し、とくにタイ国立公文書館での史資料収集を最優先で進めたい。それに並行して、国内での史資料収集を進めるとともに、史資料の整理と分析を継続し、本研究計画のまとめとして研究書をまとめることができるようにしていきたい。
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| Causes of Carryover |
本来は、2020年度で完了する研究計画であったが、コロナ禍によって2019年度末以降の海外出張が不可能となり、とくに旅費の執行において大きな差異が生じてしまった。コロナ禍の状況を注視しつつ、タイ等における公文書館での調査を再開させたい。
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