2018 Fiscal Year Research-status Report
壬辰戦争期、明朝から日本に贈られた箚付・冠服類の総合的研究
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18K00986
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
新宮 学 山形大学, 人文社会科学部, 教授 (30162481)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 琴 山形大学, 学士課程基盤教育機構, 准教授 (20620941)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 明朝 / 壬辰戦争 / 冠服 / 箚付 / 上杉景勝 / 補子 |
Outline of Annual Research Achievements |
科研初年度にあたる2018年度は、11月に米沢市において資料調査と研究会を実施することができた。 ①資料調査(11月2日)は、上杉神社稽照殿にて行い、同神社所蔵の重要文化財の上杉景勝に贈られた明朝冠服5件のうち3件の資料を熟覧した。文献史料と文物資料をそれぞれ専門とする研究代表者、分担研究者、研究協力者2名の計4名が合同で調査に参加し、その貴重な価値について認識を新たにした。 ②研究会(11月1日)は、米沢市上杉博物館の会議室で行い、研究代表者新宮学が、「壬辰戦争期、上杉景勝に贈られた明服補子再考」、研究協力者大野晃嗣が「明朝と豊臣政権交渉の一コマ-明朝兵部発給「箚付」が語るもの-」と題する報告を行うとともに、各自の研究について交流した。 上杉景勝に明朝より贈られた常服の胸背部分に縫い付けられた補子(ゼッケン)のデザインは、1961年「服飾類(伝上杉謙信・上杉景勝所用)の一部として重要文化財に指定された時には「龍文」とされていた。今回の分割指定では新たに「斗牛」文とした。研究代表者新宮は再検討の結果、伝世品としてより稀少な「飛魚」文とすべきことを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度は、上杉神社の御協力により3件の資料を熟覧することができた。上杉神社所蔵の明冠服類(文禄五年上杉景勝受贈)が2018年3月に重要文化財に分割指定されたことに伴い、当該資料の保存修復の動きがあり、一部に調査を実施できない資料が生じている。 2019年は、京都市の妙法院所蔵の明官服類(文禄五年豊臣秀吉受贈)の調査の許可がすでに下りている。調査が実現すれば、前年度調査した上杉景勝の明服との比較が可能となり、成果が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、7月に京都国立博物館で資料調査と研究会を行う。このほか、文書による照会調査をもとに、九州・中国地方の博物館・神社等を訪れて調査を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
外国雑誌投稿論文の成稿が遅れたため、翻訳作業の依頼ができなかった。2019年の前半には脱稿する予定である。また学内の業務との関係で1、月~3月中旬まで資料調査を組ことができなかった。2019年度は早めに計画を立て実施したい。
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