2022 Fiscal Year Annual Research Report
The Jews in modern India: Their life histories and the ideas of a 'nation-state'
Project/Area Number |
18K00988
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井坂 理穂 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (70272490)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | インド / ユダヤ / 近現代 / 国民国家 / 移動 / 帰属 / ライフ・ヒストリー / マイノリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
2020-21年度はコロナをめぐる状況により海外調査の中止を余儀なくされたが、2022年度は8月末から9月上旬にかけて研究代表者がインドで調査を行うことができた。ここではインドの複数のユダヤ・コミュニティについて、それぞれがインド、イスラエルとどのような関係を築いてきたのかに着目しながら資料収集を行った。2022年度が本プロジェクトの最終年度となることから、研究代表者・研究協力者はこれまでの研究成果をまとめる作業を進めた。研究代表者は、インド西部のベネ・イスラエルと呼ばれるコミュニティに属する人々がシオニズムといかに関わっていたのかを検討してきたが、2022年度は主に1940年代から1950年代における彼らの動向に焦点を当てた。同時代に書かれたベネ・イスラエル知識人の記述を追いながら、インド・パキスタン分離独立、イスラエル建国宣言、インド・イスラエル間の外交関係に関する彼らの見解を分析し、その成果の一部を9月に日本南アジア学会第35回大会で報告した。また、この報告で取り上げたあるベネ・イスラエル女性知識人のパレスチナ観について紀要論文として発表した。研究協力者は前年度に続き、ベネ・イスラエル出身の作家による文学作品の紹介・分析を行った。2022年12月13日には東京大学南アジア研究センターで「現代世界とユダヤ―インドとアルゼンチンの事例から―」というタイトルでセミナーを組織し、プロジェクト外部から研究者2名を招き、世界の異なる地域のユダヤ・コミュニティと「国民国家」との関わりについて意見交換を行った。
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Research Products
(2 results)