2020 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the actual developing situation of Chinese society and the development of mutual relations between Japan and China in the leased territory Dalian / Lushun
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18K01004
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
松重 充浩 日本大学, 文理学部, 教授 (00275380)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚瀬 進 長野大学, 環境ツーリズム学部, 教授 (80319095)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 大連・旅順 / 近代日中関係 / 租借地 / 中国東北 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本租借下の大連・旅順における中国人社会が如何なる発展実態を持っていたのかを、従来の<抵抗or従属>という二項対立図式的な理解を越えて、日本側諸主体との相互連関・相互変容の実相局面からの資料発掘と分析を通じて、実証的に明らかにすることを目指すもので、令和2年度の研究実績としては、以下の2点をあげることができる。 一つは、当該研究領域における新たな資料水準確保についてである。上述した研究視角からの事象把握のためには、当然、それを可能とする新たな資料水準の確保が必要となるが、本研究では、これを(1)海外での関係機関調査による日中双方が連関する事象に関する新たな資料発掘、(2)従来の研究で利用された様々な資料を多角的に相互対照することで諸事象間の相互連関・相互変容の実相を浮かび上がらせることを可能とする資料検索システムの構築の二つの面から追究してきた。令和2年度においては、「(1)」が新型コロナ感染症の影響で実行が困難な中、『満洲日日新聞』、『満蒙』、『満鉄調査時報』などの大連における定期刊行物掲載記事における、巻号数、刊行年月日、タイトル、筆者(所属)、キーワード(掲載された人名、組織名、地名・建物・街路名、分野分類、その他固有名詞)などのデータを摘出・入力したデータベースを構築し、横断検索が可能な検索システム構築の準備を完了した(システムの稼働は令和3年を予定)。 もう一つは、上述定期刊行部掲載の文字資料に加え写真などの所謂ビジュアル資料の分析を通じて、中国人側の建築や接客の形式が、日本的実用性(近代性)を取り込みつつも日本側への対抗意識を背景として現出形態をとってくることが、オンラインや対面による、研究代表者・分担者との討議を通じて確認された。
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Research Products
(8 results)