2020 Fiscal Year Research-status Report
旧在地支配層のミクロヒストリーから見る現代中央アジア国家形成:クルグズを中心に
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18K01009
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
秋山 徹 早稲田大学, 高等研究所, 准教授(任期付) (90704809)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 遊牧 / 中央ユーラシア / 中央アジア / ソ連 / ロシア / 歴史実践 / キルギス |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はコロナ禍のため当初予定していた海外出張を行なうことができなかった。こうした状況を踏まえ、昨年度までに収集した史資料の解析作業を進めるとともに、論文執筆や口頭発表をはじめアウトプット作業を実施した。 まずロシア帝政期末期から革命・内戦そしてソヴィエト連邦創設期にかけてのキルギス人首領一族の動向に関する英語論文を執筆した。その内容にもとづき、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所・共同研究プロジェクト「近代中央ユーラシアにおける歴史叙述と過去の参照」と早稲田大学高等研究所との共催で国際ワークショップ“The revolt of 1916 in Central Asia and refugees into Xinjiang: Reconsideration from the cross border perspective”を開催し(2020年7月26日・オンライン)、“Four years in Xinjiang: Considering the impact of the Kirghiz heads of the 1916 revolt on the Soviet building”というタイトルで報告を行った。 メディア分析についても今年度本腰を入れて取り組むことができた。ロシア帝政期からソ連期そして現代に至るまで生み出されてきた英雄叙事詩、戯曲、映画についてトータルに分析を行うことで、ロシア帝政期を中心とする近代史研究と現代研究とを有機的に接合するための大きな手ごたえを得ることができた。研究結果にもとづいて、日本中央アジア学会年次大会(2021年3月20日・オンライン)において「遊牧英雄から民族英雄へ?クルグズ首領シャブダンをめぐる歴史実践を中心に」と題する口頭報告を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍のため海外出張に出向くことは叶わなかったものの、早期に方針を転換し、成果のアウトプットに注力できた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度も引き続き成果のアウトプットに注力する。とくに昨年度中に果たせなかった論文投稿を実施する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のため海外出張・国内出張を実施することが困難となったため。英文での成果発信にかかる諸費用(校正費)に充てる。
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Research Products
(4 results)