2018 Fiscal Year Research-status Report
ナシ学確立を目指した歴史史料の基盤整備と前近代ナシ族社会経済史の研究
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18K01018
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Research Institution | Osaka Seikei College |
Principal Investigator |
山田 勅之 大阪成蹊短期大学, 観光学科, 教授 (40582995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白館 戒雲 大谷大学, 文学部, 名誉教授 (10179062)
黒澤 直道 國學院大學, 文学部, 教授 (30383988)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ナシ学 / ナシ族 / 歴史史料 / 社会経済史 |
Outline of Annual Research Achievements |
・調査:2018年8月12日~24日(黒澤直道教授・山田勅之教授)、雲南省にて以下の通り調査を実施した。麗江では族譜の収集、石碑の撮影、三朶閣・玉峰寺・白沙(瑠璃殿、大宝積宮)調査、及び現地研究協力者の和力民氏、王世英氏と研究実施について会合を持った。シャングリラ市では、迪慶州チベット学研究センターのタムディン研究員から現地チベット語地名に関する情報提供をいただいた。それをもとに、地名・寺院の調査を実施した。その過程で寺院志の提供を受けた。また白塔寺、百鶏寺の調査を行った。サンバでは、現地研究協力者よりトンバ文字関連の書籍(族譜含む)の提供をいただいた。また、トンバ教聖地の「アミ霊洞」調査した。なお、山田教授は8月6日~12日に昆明での資料収集、鶴慶の太玄宮の調査を実施た。また黒澤教授は昆明での資料収集の実施、及び香港にて現地研究者より雲南調査における知見提供を受けた。 2019年2月25日~3月9日(山田勅之教授):北京国家図書館にて麗江の石碑の拓本に関する調査を実施した。成都の西南民族大学の研究者より現地チベット語地名に関する情報提供をいただいた。シャングリラ市にてタムディン研究員から現地チベット語地名に関する情報提供をいただいた。麗江にて現地研究協力者の和力民氏と研究実施について会合を持った。また、石碑の撮影を行った。香港では現地研究者より雲南調査における知見提供を受けた。 ・研究会 2018年12月16日 於:大谷大学(白館戒雲名誉教授、三宅伸一郎教授、黒澤直道教授、山田勅之教授) 本年度の調査・研究の成果発表を実施した。題目が以下の通りである。黒澤教授「ナシ語地名彙編(附歴史参考史料)の作成」、山田教授「『シトゥ・パンチェン自伝』(第1回麗江行)記載地名の同定」
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述の調査成果に基づいて、現在までの進捗状況は以下の通りである。①収集した族譜や石碑の翻字。②ナシ族歴史史料目録のうち漢文部分の草稿作成。③シャングリラ~麗江間の地名調査。パタン、郷城方面の一部地名の同定。一方で、トンバ文字・チベット語合壁の土地契約文書を調査収集。麗江市近郊の龍蟠村にて漢文土地契約文書の調査収集は未着手である。しかしながら、黒澤教授が主となって進めている、「ナシ語地名彙編(附歴史参考史料)の作成」及びトンバ文字族譜の翻訳などの成果がある。 以上から、(2)「おおむね順調に進展している」と評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の調査研究は以下のように考えている。 ①地名調査:郷城~シャングリラ間の地名調査。②麗江市及び拉市海において族譜の調査収集。③四川省オーヤでの史料調査収集。前年の調査状況に応じてサンバ郷での調査を引き続き行う。③ナシ族歴史史料目録のうち漢文部分を完成させ、チベット語部分の草稿を作成する。④「ナシ語地名彙編(附歴史参考史料)」の完成。⑤トンバ文字族譜の翻訳完成。 以上の実施を踏まえて、研究成果発表会を実施する。
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Causes of Carryover |
白館戒雲名誉教授への分担金は50,000円であったが、書籍・資料購入が予定より少額に留まったため、残額が生じた。本年度へ繰り越し処理を行い、書籍・資料の購入にあてる。
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Research Products
(5 results)