2019 Fiscal Year Research-status Report
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18K01035
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| Research Institution | Yamaguchi University |
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Principal Investigator |
竹中 幸史 山口大学, 人文学部, 教授 (00319386)
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2018-04-01 – 2021-03-31
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| Keywords | フランス革命 / 国旗 / 国歌 / 国民祭典 / 公教育 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、19世紀前半のフランス史の展開において、国旗および国歌が果たした機能と、市民によるそれらの受容や拒絶、また改変の実態を、わが国では初めて実証的に考察する。対象地域は、セーヌ＝マリチム県の主邑ルアン市である。
本年度は、祭典および公的行事におけるフランス革命の象徴の利用について、関連史料の収集と分析作業を行うと共に、学会報告と論文執筆に重点をおいた。年度前半までに関西フランス史研究会、山口日仏協会、さらに国際シンポジウム「アジアから見たフランス革命」において報告を行い、質疑応答に参加した。
9月にはルアン市立図書館、セーヌ=マリチム県文書館において、諸史料の収集を行った。県文書館においては、フランス革命期の公教育委員会史料のうち未入手であったもの、また七月王政後期の記録および教育史の基礎史料を収集することができた。一方、市立図書館においては旧体制下におけるアンリ4世及びルイ14世による入市式の印刷史料を入手することができたが、これによって今後、17世紀の祭典と18世紀以後の祭典を比較する研究を行うことが可能となろう。現地で読了できない史料の多くはデジタルデータに保存し読解作業を進めている。
また年度後半では10月に2025年に開催予定の万国博覧会関係者にむけて講演を行ったほか、12月にフランス革命史研究会において報告を行った。研究業績の公刊については論説を４本著した（中部高等学術研究所報告書、論文集内の2章、前掲シンポジウムの仏文報告書）。その他、書評1本も近日、公刊される予定である。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ルアン市立文書館、セーヌ＝マリチム県文書館において、19世紀半ばまでの祭典および公式行事に関わる史料収集はほぼ入手できており、その分析も当初の予定通り進んでいる。
しかし未整理史料の分類に時間を割くことになったほか、図らずも革命期の史料及び17世紀の重要史料を多く発見したため、当該年度においてはパリの文書館・図書館所蔵の史料入手を断念した。
これらに関しては2020年度に再度渡仏し行う。19世紀（復古王政期・七月王政期）のルアンにおける公教育関連史料も併せて収集する予定である。
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| Strategy for Future Research Activity |
2018年度、2019年度においてはセーヌ・マリチム県文書館およびルアン市立図書館において史料整理・新史料の入手に時間を要したため、パリの国立図書館・国立文書館における史料収集がかなわなかった。2020年度夏・秋の再渡仏を予定しているが、新型コロナウィルス感染症の蔓延および航空事情によりかなわぬ可能性もある。
幸い、これまで祭典・公式行事に関する史料の入手また多くの文献の入手を終えており、論文執筆を行うことに大きな支障はない。当初の予定通り2020年度中に2本の投稿を予定している。
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| Causes of Carryover |
理由は以下の２点である。第一に、セーヌ・マリチム県文書館およびルアン市立図書館において閲覧した史料の整理、また新史料の発見と入手に想定以上の時間を要したためパリ国立文書館・図書館での作業を省略し滞在費が軽減したこと、第二に、入手した史料の性格を基に文献を蒐集する予定であったが、これを一時控えたことである。
このため2020年度に史料を入手すべく再度渡仏し、必要な文献を絞り込んだうえで蒐集する予定である。
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