2020 Fiscal Year Research-status Report
近現代ドイツにおける酒場の政治的役割に関する実証的研究
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18K01036
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
原田 昌博 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (60320032)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 近現代ドイツ / 政治的暴力 / 酒場 / ベルリン / ナチズム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、近現代ドイツ(第二帝政からワイマル共和国まで)において「酒場(LokalあるいはKneipe)」が労働者を中心とする大衆と政治との接点になっていたことに着目し、首都ベルリンおよびプロイセン州内の他地域における酒場の政治的な役割や機能(政治的集会や組織への勧誘などを通じて大衆の政治化に果たした役割や、そこで発生する政治的暴力の実態)を明らかにしていくことを目的とする。 2020年度はこれまでの2回の渡独(2018・2019年度)を通じて調査・収集した史料の分析を行うとともに、関連する文献の整備と講読を進め、その成果を論文にまとめて公表した。2018年度は研究史の整理した論文、2019年度はワイマル期ベルリンを事例に、政治化した酒場の実態およびその酒場を舞台に発生した暴力事件の具体的事例の分析を行ったが、2020年度は政治的暴力の際に使用された武器の問題に焦点をあて、酒場などを中心に隠匿されていた実態を明らかにする論文を執筆・公表した。これにより、前年までに発表した論文と合わせて、本研究課題に関する主要な内容について論文としてまとめることができた。 しかし、新型コロナウィルスの影響により、当初予定していた学会での報告を行うことができなかった。その代わりに、本課題に関する成果とそれ以前の研究成果を総合し、著書としてまとめる作業を進め、出版への道筋をつけることができた。この著書については2021年度中の出版を計画している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルスの影響のために予定していた学会報告を行うことができなかった。これに代わって、これまでの成果を著書としてまとめる作業を進め、出版への道筋をつけた。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度においては、2020年度中に進めた本研究課題に関する著書の製作をさらに進め、年度内の刊行をめざす。また、機会があれば、学会での報告を行うことができるように鋭意努力する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの影響で、学会等が中止となり、旅費を計上できなかったため。
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Research Products
(1 results)