2021 Fiscal Year Annual Research Report
European passengers to South Africa and the historical sources: Cross cultural communication within the contact zone during the early 19th century
Project/Area Number |
18K01037
|
Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
水井 万里子 九州工業大学, 教養教育院, 教授 (90336090)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻本 諭 岐阜大学, 教育学部, 准教授 (50706934)
和田 郁子 岡山大学, 社会文化科学研究科, 准教授 (80600717)
大澤 広晃 法政大学, 文学部, 准教授 (90598781)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 移動 / 史料 / 東インド会社 / 南部アフリカ / メソジスト教団 / イギリス軍事史 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題の実績として、2018年度、2019年度に移動と史料に関する研究会を実施し、個別の資料収集・分析状況を報告、あわせて2021年度に出版した共著の図書の編集打合せを行った。また、史料収集のための調査については、研究代表者水井がイギリス東インド会社の資料収集をロンドンのBritish Libraryで実施、辻本が同じくロンドンで軍事史関連の史料を収集した。 採択2年度目に予定していた南アフリカの史料調査、イギリス、オランダでの調査については、感染症の世界的な蔓延状況から実施を見合わせることとなった。採択期間を4年度目に延長し事態の改善を待ったが進展は見られず、オンライン収集史料、手持ち史料、刊行史料を活用し、成果論文集を2021年度に出版した。水井万里子、大澤広晃、杉浦未樹、吉田信、伏見岳志編著『史料が語る東インド航路 ―移動がうみだす接触領域―』勉誠出版、2021年。論文集である同書に掲載された応募者全員の単著論文が描きだすところは、東インド航路上を移動するヨーロッパ系社会集団の多様な史料、史料から描きだされる接触領域における多様な文化の詳細と多文化間の交流の様子がまずあげられる。東インド航路そのものが多様化していく様相も、人の移動にともなう史料の検討から明らかとなった。さらに、東インド航路上を人々が移動するルートは、アフリカを起点とした大西洋横断航路へと接続していたことも指摘されており、スペインやポルトガルの帝国研究との連関を意識することとなった。また、メソディスト宣教団、陸軍の兵士についても東インド航路上の移動者としてその史料を比較検討できる基盤となった。スエズ運後の開通後、交通や電信の発達がこのような移動者とその移動史料に与えた影響と変化についての知見も得られ、今後の研究の発展に不可欠な観点が見つかっている。
|
Research Products
(7 results)