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2019 Fiscal Year Research-status Report

フランコ独裁体制初期における「国家カトリック主義」創出と受容をめぐる実証的研究

Research Project

Project/Area Number 18K01040
Research InstitutionAoyama Gakuin University

Principal Investigator

渡邊 千秋  青山学院大学, 国際政治経済学部, 教授 (00292459)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2022-03-31
Keywordsカトリック / アクシオン・カトリカ / プロソポグラフィ / フランコ独裁 / 教皇庁 / スペイン / 内戦 / グローバル
Outline of Annual Research Achievements

2019年夏季にはスペインに渡航し、スペイン国立図書館所蔵の資料を中心として、フランコ体制下の信徒に関するプロソポグラフィ分析を実施するための文献収集を行った。また渡航の機会を活かし、現地研究者との直接的な意見交換を行い、関連テーマ研究の現状について新たな知見を得た。また今期は、ミクロストリアの視野に沿って、カトリック教区教会がどのようにして信徒を教会・また組織へと引きつけようとしたのかに注目し、マドリードのある教区で第二共和国期以降フランコ体制下においても活動していたアクシオン・カトリカの教区セントロの活動を対象に絞り、論文を執筆した。
こうして、研究期間に徐々に蓄積しつつある史料分析を通じて、スペイン「国内」独自のものと考えられる傾向にあった「ナシオナル・カトリシスモ」と呼ばれる社会心性は、グローバルな様相をもつことが提示できるようになってきた。この「グローバル性」に着目し、2020年1月には、スペイン(ビーゴ大学)からJ.R.ロドリゲス・ラゴ氏、フランス(ソルボンヌ大学)からN.ヌニェス・バルゲーニョ氏を招聘し、ワークショップ「国家を越えるカトリシズム:スペイン史の視野から」を開催するに至った。ロドリゲス・ラゴ氏には「スペイン・カトリシズムの国家を越えるネットワーク(1898-1993)」、ヌニェス・バルゲーニョ氏には「国際聖体大会における国家を越えるカトリシズム(1870年から今日まで). 宗教、近代大衆の勃興、そしてグローバル文化」というタイトルでご講演いただいた。このワークショップは、科研費基盤研究B「近代ヨーロッパにおけるカトリシズムの変容と持続をめぐる社会史的考察」との共催とし、日本に在住するヨーロッパ諸国の近現代カトリシズム研究者の参加を得て、将来的に国際的な研究グループを組織することを射程にいれた機会をつくることができたと考えている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

2018年度は、学内業務とかさなったため、年度末に予定していた国際学会での報告を断念せざるを得なかったが、2019年度においては、2020年度に実施を計画していたスペイン人研究者の招聘を、先方との予定を詰めることによって、予定を前倒しして年度中(2020年1月)に行うことができた。結果論ではあるが、Covid-19の影響拡大により世界的に実質的な人の移動が大きく制限されている現状にあって、この招聘・ワークショップ開催を行えたことにより、先行きの不透明ななかにあっても、研究計画を進めるうえでの大きな原動力、また励みになっている。また研究を進めるうえでは、予想外の出来事に対応する必要があるという教訓をあらためて得た。今後の学びとしてきたい。

Strategy for Future Research Activity

プロソポグラフィ分析のためのデータ収集を継続する予定である。先回半ばで切り上げてきたスペインでの現地調査・資料収集に関しては、現状ではいつ渡航できるのかを含め、不明瞭な点を残すが、今後の世界的状況をよみながら、臨機応変に対応していく所存である。移動が可能になり、状況が許すようになれば、マドリードのスペイン国立図書館のみならず、サラマンカ、またアルカラ・デ・エナーレスにある文書館へも出向きたいと考える。それまでは、現在までに収集してある文献資料の最大限の活用を目指すとともに、日本にいてできることから、前進させる予定である。
2020年6月に予定していた学会報告は、学会自体が早期に中止されてしまったため、行えないことになった。しかし、これに関しても、他の方策を模索するつもりである。

Causes of Carryover

2名の研究者招聘を決めた段階で、費用の使用に関して調整を試みた。次年度使用額が生じたのは、学内宿泊施設を使用することができたため、当初の予想より滞在費が少なく済んだことに起因していると考える。この分、Covid-19による影響次第ではあるが、次期の旅費、また現地調査ができない場合には、遠隔で依頼することになる文献複写・文献購入等の費用にあてる予定である。この場合には、状況によっては現地在住の協力者への謝金が生ずる可能性もある。円滑に研究が進むよう、有効に助成金を使用したいと考える。

  • Research Products

    (2 results)

All 2020 2019

All Journal Article (1 results) (of which Open Access: 1 results) Funded Workshop (1 results)

  • [Journal Article] 「フランコ独裁体制初期におけるアクシオン・カトリカ青年部―マドリード、コルプス・クリスティ教区の機関誌『セントロ』からみる組織再生の試み―」2019

    • Author(s)
      渡邊千秋
    • Journal Title

      青山国際政経論集

      Volume: 102 Pages: 25-45

    • Open Access
  • [Funded Workshop] ワークショップ「国家を越えるカトリシズム:スペイン史の視野から」2020

URL: 

Published: 2021-01-27  

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