2018 Fiscal Year Research-status Report
ハワイの日本語新聞と占領期日本の救済運動 日系人メディアによる戦後日本の復興支援
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18K01044
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
水野 剛也 東洋大学, 社会学部, 教授 (90348201)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ハワイ日系人 / ハワイ日系アメリカ人 / 日本語新聞 / ジャーナリズム / マス・メディア / 戦後復興 / 第2次世界大戦 / 占領期 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度から、予想以上の成果(あるいは、成果に直結する活動)をあげることができた。 まず、最も重要な成果として、400ページを超える単著を刊行することができた。東洋大学・井上円了記念研究助成金(平成30=2018年度)、および科学研究費助成事業 研究成果公開促進費・学術図書刊行、課題番号:18HP5099)を受けている。『有刺鉄線内の市民的自由 日系人戦時集合所と言論・報道統制』(法政大学出版局、2019年)。 加えて、アメリカ史におけるもっとも権威ある学会誌のひとつである『アメリカ史研究』に単著論文(審査つき)を掲載することもできた。上述の単行本と深く関連する内容である。「盆踊りの検閲 第2次大戦時日系アメリカ人集合所における娯楽・余暇メディアの統制」『アメリカ史研究』第41号(2018年8月):21-35。 同じくメディア史領域で著名な学会誌『メディア史研究』には、ハワイ大学図書館が所蔵する日本語新聞・雑誌を網羅的に紹介する論考を掲載した。「《メディア史料案内》 ハワイの日系新聞・雑誌 ハワイ州立大学マノア校ハミルトン図書館の主要所蔵品を中心に」、『メディア史研究』第44号(2018年11月):233-260。 共著による成果としては、本課題の成果を一部に盛り込んだ論文を共著本に寄稿した。大井眞二・田村紀雄・鈴木雄雅編・著『現代ジャーナリズムを学ぶ人のために』第2版(世界思想社、2018年)、第16章「ジャーナリズム研究の脱西欧 日本における学術研究のこれまでとこれから」、256-273。また、サンフランシスコで活躍した日系新聞人の評伝を別の共著本に寄稿した。「浅野七之助 日本にも影響与えた日系人ジャーナリスト」、土屋礼子・井川充雄編・著『近代日本メディア人物誌 ジャーナリスト編』(ミネルヴァ書房、2018年)、227-228。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」で述べたように、初年度としては予想以上の成果を残すことができたからである。2004年度以降継続的に、1年も欠けることなく科研費を受けつづけることができたため、蓄積がふんだんにあること、さらに研究フィールドであるハワイに一定期間滞在して研究に打ち込めたことが絶大な効果をあげていると考える。これまで収集してきた一次史料や文献を駆使して、今後も国内外の厳しい学会誌への投稿に励みたい。
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Strategy for Future Research Activity |
上述のとおり、当初計画した以上の成果をあげているので、それに満足・油断することなく、2年目以降も継続的に史料収集、文献精読にはげみ、かつ論文執筆をさらに進展させるよう努力するつもりである。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、夏と冬の2回に分けて海外出張する予定のところ、長い期間で冬の1回で済ませることができたからである。また、年度末に行った出張旅費の精算が2019年度となることも理由である。今後も論文・著書の執筆にともない追加的な研究が必要となる可能性があるため、残額は次年度以降の活動に有効利用するつもりである。
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Research Products
(5 results)
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[Book] 世界思想社2018
Author(s)
大井眞二・田村紀雄・鈴木雄雅
Total Pages
256-273
Publisher
現代ジャーナリズムを学ぶ人のために
ISBN
978-4790717157
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