2020 Fiscal Year Annual Research Report
The depiction of Japanese and Confessionalization in the German-speaking Area during the 17th Century
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18K01056
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
大場 はるか 久留米大学, 文学部, 准教授 (40758637)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 神聖ローマ帝国 / 日本観 / イエズス会 / ベネディクト会 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は神聖ローマ帝国の日本観形成と「宗派化」との関係を明らかにするものである。この目的のため、2018年4月よりベネディクト会の学院劇の日本人描写に関する調査を始めた。この調査は、以前に実施していたイエズス会の学院劇の日本人描写の調査結果と比較する形で遂行された。調査の関係で訪れた欧州の研究機関は、バイエルン州立図書館、ザルツブルク大学図書館、チューリヒ中央図書館、オーストリア国立図書館、インゴルシュタット大学図書館である。このほか、現在のドイツの都市アイヒシュテット、インゴルシュタット、現在のスイスの都市ゾーロトゥルンの教会を訪れ、当時現地で制作され、今日まで教会内に飾られている日本関係の造形芸術を撮影した。これらの画像も研究の分析対象に加えている。2019年秋にはミュンヘン大学およびノルウェーのトロンハイム大学の近世史研究者と交流を深め、同研究者が主催した物質文化に関するワークショップで発表し、神聖ローマ帝国の日本観について「モノ」の観点からも考察を加えた。以上の研究を実施しながら、2019年6月には並行して日本学術振興会・二国間交流事業(セミナー)をオーストリアの研究者たちと共同で京都で開催し、近世ドイツ語圏の日本観とトルコ観を比較する試みを開始した。 以上のように2018年度と2019年度は上首尾に研究が進められたが、2019年度の終わりから新型コロナウィルスの感染拡大のため、最後の1年間は研究が著しく妨げられることになった。当初の予定では、2020年3月に国際学会で口頭発表を行い、4月にオーストリアに渡航して現地の研究者と今後の共同研究の企画を具体化する予定であったが、コロナで渡航ができなくなったこともあり、すべて見送られることになった。
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