2018 Fiscal Year Research-status Report
琉球と福建を結ぶ海上ルートの考古学的研究-遺跡出土中国陶磁の分析を中心として-
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18K01070
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Research Institution | Okinawa Prefectural University of Arts |
Principal Investigator |
森 達也 沖縄県立芸術大学, 美術工芸学部, 教授 (70572402)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | アジア考古学 / 古琉球 / 朝貢貿易 / 福州 / グスク / 沈船 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究初年度である平成30年度は、琉球と福建を結ぶ海上ルートの考古学的研究を具体的に進めるための基礎的資料の調査・研究から開始した。琉球と福州を結ぶ海路だけでなく、琉球王国の進貢使が福州到着後に明の都に向かったルートをも含めてフィールド調査と出土遺物の調査を実施したが、今年度の調査地点と内容は以下の通りである。 8月中旬に、故宮所蔵の琉球資料の調査、山東・明魯荒王墓出土資料の調査、江西・高安窖蔵出土陶磁資料の調査、明・中都のフィールド調査と出土遺物の調査、江蘇・太倉遺跡のフィールド調査と出土遺物の調査、福建・東洛島沈船引揚げ遺物の実測と撮影、福州宦渓窯の調査などを実施した。 12月下旬には福建省博物院(福州)において、東洛島沈船引揚げ遺物の実測・撮影(途中まで)、泉州博物館における泉州地域出土陶磁の調査、泉州東門窯のフィールド調査、晋江磁竈窯のフィールド調査と出土遺物の調査、広東省奇石窯のフィールド調査と出土遺物の調査を実施した。 平成31年3月上旬には西表、石垣、与那国島での出土中国陶磁の調査を実施した(旅費別途)。 3月末には明中都の明代瓦窯の調査、景徳鎮における明・清時代の官窯磁器と民窯磁器の調査、福建省建窯の窯址フィールド調査、福州郊外の瓦窯跡調査、徳化窯のフィールド調査と出土遺物の調査を実施した。 こうした調査によって、今後の研究を進める上で重要な資料の確認および検証を行い、重要なデータが豊富に得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度には、福州・泉州・広州・明中都などの海外の基礎的な調査と福建・洛東島沈船引揚げ陶磁の実測、撮影など、沖縄での西表島、石垣島、与那国島での資料調査を実施しており、おおむね順調に進展していると言って問題ない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度には、現時点でまだ調査を実施していない宮古島、慶良間諸島、久米島などの調査を実施し、また福州・東洛島沈船引揚げ資料の追加調査を実施予定である。令和2年度には福州、泉州の港湾地域の出土陶磁資料の調査、沖縄本島の主要グスクと港湾遺跡の出土陶磁資料の調査を実施し、最終年度の調査・研究の総括、シンポジウムの開催、報告書の出版へと繋げていく予定である。
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Causes of Carryover |
平成30年度末に予定していた久米島の調査が、相手方の都合で令和元年度初めにずれ込んだために、30年度は残額が出た。令和元年度早々に久米島の調査を実施する予定である。
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Research Products
(4 results)