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2023 Fiscal Year Annual Research Report

Py-GC/MS and radiocarbon dating of archaeological woods treated with lactitol

Research Project

Project/Area Number 18K01093
Research InstitutionAichi University

Principal Investigator

西本 寛  愛知大学, 経済学部, 准教授 (40609757)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2024-03-31
Keywords放射性炭素年代測定 / 保存科学 / 熱分解GC-MS
Outline of Annual Research Achievements

低湿地遺跡から出土する木質遺物の多くは、湿潤な土壌に長期間埋没していたことで木質組織が著しく劣化している。劣化の進行を阻止し恒久的に木質遺物を保存するため、木質遺物に対し常温・常圧下でも安定な薬剤の含浸処理が行われる。トレハロースやラクチトールといった糖アルコールは、保存処理のための薬剤として使用されるが、これらの薬剤は炭素を含む有機化合物である。糖アルコールを含浸させることで遺物の保存が可能となるが、一方で放射性炭素年代測定を実施するうえでは炭素汚染となる可能性が示唆される。本研究は、糖アルコールによる保存処理が放射性炭素年代測定に及ぼす影響の把握や、影響がある場合の正確な年代測定を行うための方法論の確立を目指すものである。
そこで、実際にトレハロースおよびラクチトールの放射性炭素濃度を測定し、木質遺物の年代にどのような影響を及ぼすのかを定量的に把握した。その結果、糖アルコールの多くはモダンカーボンが主体であり、微量でも残存すると放射性炭素年代に大きな影響を与えることが明らかになった。また、糖アルコール含浸木材の洗浄処理を行い、洗浄後の放射性炭素濃度を測定したが、薬剤の残存が示唆される程度の年代のズレが生じた。より確実な除去方法を検討していく必要がある。一方で、微量に糖アルコールが残存する場合でも、糖アルコールを定量することができれば、年代値の補正が可能となる。熱分解GC-MSによる糖アルコールの定量分析を進めたが、コロナ禍や装置の価格の問題などで十分な測定値を得ることができなかった。熱分解GC-MSによる糖アルコールの定量分析は今後の課題である。

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Published: 2024-12-25  

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