2018 Fiscal Year Research-status Report
白色LED光照射に伴う蛍光性有機染料の変退色挙動とその抑制
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18K01098
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| Research Institution | Independent Administrative Institution National Institutes for Cultural Heritage Tokyo National Research Institute for Cultural Properties |
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Principal Investigator |
吉田 直人 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 保存科学研究センター, 保存環境研究室付 (80370998)
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| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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| Keywords | LED展示照明 / 変退色 / 有機染料 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は本研究の初年度として、蛍光性有機染料の白色LED光を照射した際の発光、発光による視覚への影響について、黄色染料である黄檗等による染織布による検証を行った。その結果として、（１）同じ白色LEDでも、色温度が高いほど、つまり青色光の寄与が大きいほど、反射光強度を基準とした相対的な蛍光強度が増大する。これは、染料が青色光により励起されることから予想されたことであるが、反射スペクトル測定によって定量的に示すことができた。（２）また、励起波長帯に相当する光をカットしたうえで、染織布を照射した場合の反射スペクトルを比較することによって、蛍光を発する場合とそうではない場合との色差を求めたところ、数値としては小さいものの、蛍光の発生は、視覚による色彩への影響となって表れることを示唆する結果を得た。また、白色LED光の色温度、照度による色彩への影響に関しては、実資料（浮世絵）による実験を行った。その結果、単に反射光のみではなく、色温度、照度に依存していると考えられる、表面での拡散反射の状態が視覚的な色彩に何らかの影響を与えていることも示唆された。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
法人内に新設された組織への配置換えとなり、業務の立ち上げ等のために、予定していたとおりの研究時間確保が難しく、遂行に遅れが生じた。令和元年度以降は、本務も軌道に乗りつつあるので、時間を確保し、また連携研究者の強化を図ることにより、遅れを取り戻したい。
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| Strategy for Future Research Activity |
令和元年度は、制作したLED光長期照射・変退色測定システムによって、染織サンプルへの白色LED、ハロゲンランプ、蛍光ランプによる長期照射、定期的な色差測定の結果より、変退色速度を各照明ごとに求め、各光源間の相違を明らかにする。また、反射スペクトルより反射光と蛍光の経時変化をそれぞれ求めることを予定している。
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| Causes of Carryover |
法人内の別組織に配置換えとなったために、当初計画に遅れが生じたこと、既存の物品等を活用できる内容を優先したために、次年度使用額が生じた。今後は、連携研究者の配置等による体制強化により、研究計画の遅れを取り戻し、それに伴う執行を進めたい。
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Research Products
(1 results)
