2018 Fiscal Year Research-status Report
大正期から昭和期における「皇室映画」の研究活用に向けた基礎調査
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18K01099
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Research Institution | The National Museum of Modern Art, Tokyo |
Principal Investigator |
紙屋 牧子 独立行政法人国立美術館東京国立近代美術館, 企画課, 研究員 (20571087)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 暢平 成城大学, 文芸学部, 教授 (20407612)
高木 博志 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (30202146)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 映画 / 映像文化 / フィルム / アーカイブ / メディア / 天皇・皇室・皇族 / 天皇制 / 文化遺産 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究における研究計画のひとつとして掲げている、国内外に残存する「皇室映画」の所蔵確認を開始し、2018年度は、フランスのフィルムアーカイブに焦点を絞って調査をおこなった。その結果、幾つかの貴重なフッテージを確認することができた。これらの映像素材については、今後の調査研究に活用していく予定である。 そのほかの研究成果として、研究代表者の紙屋牧子は、「動く」皇族が写る映像としては最初期のものと思われる、有栖川宮威仁が1905年に英国を訪問した際に撮影されたフィルムに関する研究論文「最初期の「皇室映画」に関する考察 : 隠される/晒される「身体」」を執筆し、『映像学』100巻(2018年7月刊行)に掲載された。さらに、最初期の皇族の映像メディアへの露出に関して考察した研究発表「天皇・皇族の身体の可視化/不可視化について:大正期から昭和初期の映画を手がかりに」を、第69回美学会全国大会(2018年10月)にておこなうなどした。研究分担者の森暢平は、皇室とメディア報道に関する調査を進め、論文「近代皇室における「乳人」の選定家庭と変容」を執筆、『史林』102巻2号(2019年)に掲載された。研究分担者の高木博志は、歴史学者の立場から近代天皇制と社会とのかかわりについて考察した研究論文「明治維新50年、60年の記憶と顕彰―近代の主役は普通の市民(明治150年を見つめ直す)」を執筆し、『新聞研究』803号(2018年6月)に掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国内外に残存する「皇室映画」の所蔵調査は、本研究において最も重要といっても過言ではないく、2018年度を終えた段階では網羅的な調査にまで至っていないものの、フランスのフィルムアーカイブにおいて、本研究が射程とするフィルムの現存を幾つか確認することができたことは本研究にとって大きい成果と位置付けることが可能である。また、一定の研究成果を発表・公開しており、従って、「おおむね順調に進行している」と言い得る。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度の引き続き、国内外に残存する「皇室映画」の所蔵調査を遂行する。併せて、2018年度に現存を確認した映像素材を含む「皇室映画」に関する研究発表または論文執筆を遂行する予定である。
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Research Products
(12 results)