2020 Fiscal Year Annual Research Report
Material research of cultural properties using LIBS
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18K01100
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Research Institution | The Niigata Prefectural Museum Of History |
Principal Investigator |
西田 泰民 新潟県立歴史博物館, その他部局等, 研究員 (80172667)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 和宏 長岡造形大学, 造形学部, 准教授 (20566468)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | LIBS / 元素分析 / ホウケイ酸ガラス |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで国内では考古遺物に対して分析事例が僅かであったレーザー誘起ブレークダウン分光分析を用い、土器、ガラスを対象に分析を行ってきた。今年度は特にこれまで広く用いられている蛍光X線分析との比較により、分析法の利点、課題を明らかにすることを目的とした。 首都圏への出張が制限される状況のため、館蔵の陶磁器類の蛍光X線分析をポータブル機器を利用して行い、LIBSとの比較を行った。使用したXRF機器は大気中での測定であるため、Mgより軽い元素の検出は期待できない一方で、LIBSでは原理的に当然ながら、測定可能であり、Naの感度がよい。一方で主要元素であるSiは、測定範囲内の特徴的ピークの位置は他の元素とのピークが重なりやすい位置にあること、また大気中の測定ではピーク位置が原理上の位置とずれが生じることなど留意すべきであることが確認された。 また、研究分担者の中村はLIBSによるガラス組成分析の結果をもとに、原料の調達を行い高温電気炉にて溶融を行なった。組成構造から判断し一般的なソーダーガラスのプログラムを用いながら、高温での溶融攪拌状態(気泡・透明度)の確認を繰り返し行い、最適な状態を探った。次に、個体となったガラス塊を粉砕し、電気炉にて再加熱により最適な徐冷状態を求め、ガラス櫛の加工基材となるガラス板の制作を行った。本研究で実際に分析を行なったガラス製櫛の原寸データを導いた後、3Dプリンターにより出力されたプロトタイプを参考に、分析結果から製作されたガラス板を基材に、ガラス櫛の再現を行なった。
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