2019 Fiscal Year Research-status Report
持続可能な地域社会の復興を目的とした博物館教育システムの開発
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18K01103
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| Research Institution | Kitasato University |
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Principal Investigator |
朝日田 卓 北里大学, 海洋生命科学部, 教授 (00296427)
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| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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| Keywords | 博物館教育 / 指導者育成 / 博学連携 / 教育普及事業 / 震災復興 / SDGs / ESD |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、東日本大震災被災地の博物館がその復興を図りながら、持続可能な地域社会の構築に資する人材育成の一部を担うことが可能となる博物館教育システムを作ることを目指したものである。2年目にあたる2019年度は、2018年度に引き続き実施した「教員のための博物館の日 in 気仙」におけるワークショップの内容を改良して行うと共にアンケート調査を実施し、課題等を検討した。また、三陸防災復興プロジェクト2019三陸ジオパークワクワクフェスタ「岩手の海とジオの魅力展」の関連事業である、大船渡市立博物館教育普及事業「海辺の生物観察会」に参画し観察会を実施すると共に、観察会用パンフレット（ガイドブック）を作成・配布した。
ワークショップでは、以前に作成した「イカの解剖実習用ワークシート」に加えて、新たに作成した「エイの解剖実習用ワークシート（暫定版）」を用いた。参加者は教諭から校長まで（主に小学校）の14名に他のプログラム講師らを加えた20名で、イカとエイの両方を解剖・観察したが、ワークシートがあることにより理解しやすかったという評価を受けた。約70名が参加した海辺の生物観察会は、小学校の学年行事も引き受ける形で実施したことにより教員も参加したため、指導者研修の場ともなり良い実証試験となった。観察会用に作成したパンフレットは、事前準備から実施の要点、安全管理、生物図鑑までを網羅しつつコンパクトにまとめたもので、事前および事後学習にも用いることができる。生物図鑑は、実際に実施場所の海岸で行っている生物・環境調査結果を活用して作成しているため実用性が高いが、同時に広く三陸沿岸でも活用できるように種の選定を行っており、岩手県内および近県でも活用可能である。次年度は海を題材にした教員向けガイドブックを制作し、検証を続ける予定である。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
開発した博物館教育プログラムの実証試験を、博物館が主体となって行う教育普及事業を活用して行う試みは概ね順調に進んだが、事業に用いるパンフレット（ガイドブック）を博物館と協働で作成したことにより、当初予定していた海を題材とした教員向けガイドブックの作成が先延ばしになった。また、自然環境を活用したプログラムは実施できたが、他の文化財等を活用したものについては、市の活用計画等とのマッチングが遅れている。
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| Strategy for Future Research Activity |
2020年度は遅れている教員向けガイドブックを作成・印刷し、実証試験に用いると共に地域の小中学校に配布してアンケート調査を行う他、エイのワークシートについても改良を加えて印刷する。また、博物館の教育普及事業等の既存事業に本研究の成果を如何に組み込めるかの検討を学芸員らと行い、指導者向け研修プログラムの構築をより現実的なものにする。研修プログラムは、2021年に再建される陸前高田市立博物館の展示内容とリンクさせることにより、博物館を核としたストーリー性のある内容にすると共に、研修者の技能に応じた選択や組み合わせができるものを目指す。
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| Causes of Carryover |
予定していた教員向け体験学習ガイドブックの印刷を次年度に延期したため、印刷費用の支出も次年度になったが、これは海辺の生物観察会に用いたパンフレット（ガイドブック）の作成に注力したためである（印刷費も博物館側の資金から支出）。またこのパンフレットは、作成予定のガイドブックのベースとなるものであり、原稿等もほぼ出来上がっていることから、次年度は早めにガイドブックの印刷を行う予定である。
旅費の支出が無かった理由は、2月、3月に予定していた協力博物館（陸前高田市立博物館および大船渡市立博物館）への出張が、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため次年度に延期となったためである。
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Research Products
(1 results)
