2021 Fiscal Year Annual Research Report
Developing a Methodology for Analyzing Museums in the Age of Multiculturalism
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18K01105
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
村田 麻里子 関西大学, 社会学部, 教授 (50411294)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷川 竜一 金沢大学, 新学術創成研究機構, 准教授 (10396913)
宮田 雅子 愛知淑徳大学, 創造表現学部, 教授 (20431976)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ミュージアム / 多文化共生 / 多様性(ダイバーシティ) / 地域 / 学芸員課程 / ワークショップ / アートセンター / アイヌ文化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本のミュージアムにおける多文化共生に向けた取り組みを可視化する方法論を探ること、それを学芸員課程に還元することを目標としてきた。最終年度となった2021年度の主な活動と成果は4つある。 まず、2020年度予定しておきながら新型コロナウィルスでたびたび延期となっていた北海道の文化施設の視察調査を実施した。アイヌ文化に関わる複数の施設を訪問し、学芸員や観光関係者にインタビューを行うこともできた。とりわけ、国が日本の多文化共生の象徴と位置づけたウポポイ(民族共生象徴空間)の主要施設である国立アイヌ民族博物館では、アイヌ文化がどのように多文化共生の一環として表象されるかについて詳細に調査・分析を行い、紀要にまとめた。 次に、地方都市のアートセンターとして、地域の多様性の包摂に向けた取り組みを行っている水戸芸術館現代美術ギャラリー、八戸市美術館、国際芸術センター青森等を訪れ、それぞれの学芸員にインタビューを行った。具体的には、アートセンターがどのように地域の公共性に寄与することができるのか、そのためにどのような取り組みをしているか、そこにはどのような困難があるのか等について伺った。さらに、地方の芸術祭等もあわせて視察し、日本における多文化共生について考えるにあたって、それぞれの地域の在り方やコミュニティをつぶさにみていくことの重要性を再確認できた。 さらに、2020年度に開発し、4回実施した、ミュージアムの多文化共生を可視化するワークショップの教材と実践結果を論文にまとめた。この報告から、ワークショップの全体像がつかめるとともに、実際に現場で実践した結果や学生達の反応をみることができる。 最後に、大学の学芸員課程において、2021年度もワークショップを実施することができたことで、今年度の調査の知見も反映させながら、学芸員課程における教材の有効性を改めて確認できた。
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Research Products
(2 results)