2018 Fiscal Year Research-status Report
衝撃成形レプリカ標本の「触れる」展示のための表面保護と再現性への影響評価
Project/Area Number |
18K01107
|
Research Institution | Okinawa National College of Technology |
Principal Investigator |
嶽本 あゆみ 沖縄工業高等専門学校, 生物資源工学科, 准教授 (60505858)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | EXPLOGRAPHY / ハンズオン展示 / 塑性加工 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は沖縄本島に分布する主に陸上植物(カンヒザクラ、リュウキュウマツ他)、ならびにサンゴ(ニオウミドリイシ。研究協力者の提供による)を原型試料として、衝撃成型レプリカ標本の製作を試みた。採取予定日に台風が重なったため、海中植物(ウミクサ類)の衝撃成型レプリカ標本製作は次年度に持ち越す。それに伴い、含水状態の比較検討も同様に次年度課題となる。表面保護処理検討についてはカンヒザクラを原型としてアルミニウム板に衝撃成型を行った陽極酸化処理(アルマイト処理)ならびに銀および18金によるめっき処理を行った標本の、保管室の温度・湿度の記録、手脂による汚損進行を調査中である。微細構造再現性解析については、平成30年度末に所属機関予算にて低真空走査型電子顕微鏡(日本電子JSM-IT100)を新規に購入するに至り、立ち上げを行った。平成30年6月に開催された全日本博物館学会第44回研究大会における口頭発表「衝撃成形技術により金属板へ転写された植物標本の触れる展示物としての活用可能性」、平成30年12月に開催された第28回MRS-J年次大会における口答発表「衝撃成型による植物レプリカ標本製作の最適条件解明」、ならびに平成30年3月にインドで開催された6th International Symposium on Explosion, Shock wave and High-strain rate Phenomenaにおけるポスター発表「Utilization of "the Explography" shock wave molded products in hands-on exhibition at Museum」にて成果発表を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
採取予定日に台風が重なったため、海中植物(ウミクサ類)の衝撃成型レプリカ標本製作は次年度に持ち越す。それに伴い、含水状態の比較検討も同様に次年度課題となる。また、所属機関予算による走査型電子顕微鏡の新規導入が3月と平成30年度末であったため、詳細な微細構造再現性解析もまた次年度課題となる。
|
Strategy for Future Research Activity |
衝撃成型時に標本を金属板ならびに土台となる厚さ1mm以上のステンレス板と共に脱気密封すること、かつ、密閉時に気泡を容器内に残さないことが、良好な標本作製に必要であり、家庭用の食品真空シーラーを用いて脱気密封したが、脱気力が十分ではなく気泡跡が発生してしまう上、製作できる標本が200mm×200mmが最大となり、展示を目的とした標本としては不十分と言わざるを得ない。そこで市販の大型脱気シーラーを衝撃成型用にカスタマイズする上で、熊本大学伊東繁客員教授の協力を得る。
|
Causes of Carryover |
当初に備品費として購入を計画していた大型脱気シーラーについて、市販機種が本研究用途に適合するためにはカスタマイズが必要となり、次年度に研究協力者アドバイスを基にカスタマイズパーツによる脱気装置の組み立てを実施する。
|
Research Products
(4 results)