2020 Fiscal Year Research-status Report
衝撃成形レプリカ標本の「触れる」展示のための表面保護と再現性への影響評価
Project/Area Number |
18K01107
|
Research Institution | Okinawa National College of Technology |
Principal Investigator |
嶽本 あゆみ 沖縄工業高等専門学校, 生物資源工学科, 准教授 (60505858)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | EXPLOGRAPHY / ハンズオン展示 / 塑性加工 |
Outline of Annual Research Achievements |
植物などを原型とした衝撃成形による金属加工を、脆弱な試料を「触れる標本」として展示を可能にする新規レプリカ標本作成技術として活用することを目的に研究を進めています。 衝撃成形レプリカ標本の表面劣化を防止する保護加工として、銅を用いたレプリカ標本の酸化を防止する硫化処理を行い、硫化処理の有無に伴うハンズオン使用による表面の輝度、彩度ならびに色相の変化を測定・比較し、第30回日本MRS年次大会にて”衝撃成形レプリカ標本のハンズオンにおける耐久性調査 Durability study of sulfurized surface treatment of shock wave molded replica specimens”のタイトルで、オンラインポスター発表を行いました。その際、計画には予定していませんでしたが近年のコロナ禍に伴う手指消毒の徹底が、今後のハンズオン展示に影響することを鑑み、70%エタノール水溶液での拭き上げ処理も検討条件に加えました。原型試料はカンヒザクラ(Cerasus campanulata (Maxim.) Masam. & S.Suzuki)の葉、0.1mm厚銅板を用い、導爆線を6号電気雷管で起爆した約120MPaの水中衝撃波により衝撃成型したレプリカ標本を用いました。耐久試験の条件は、は15分間のハンズオン使用と、70%エタノール水溶液による拭き上げ、同じくエタノール水溶液による手指消毒を30秒ごとに実施したハンズオン使用です。硫化前の輝度・彩度の分布は傾向が安定して、ラッカー処理やハンズオンによる影響もほぼ見られませんでした。硫化処理の後は70%エタノール水溶液による拭き上げの影響はほぼ見られませんでしたが、手指消毒による影響は特に輝度の上昇傾向が見られました。色相については硫化前は銅板の色に基づくと考えられる赤にほぼ安定し、硫化処理後は補色が確認されました。長期間の展示による緑青発生を伴う場合、偏りが生じることが予想されます。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大対策のため、出張を伴う衝撃成形実験ならびに展示アンケートによる評価が進行していません。
|
Strategy for Future Research Activity |
衝撃成形実験については、サンプルを輸送の上での実験依頼を進めています。減便下での船便輸送により一週間以上を要するため、その間の真空維持と原型試料の劣化への対策を行っています。 展示アンケートによる評価は、学内における学生による評価および学外者の学内見学の機会に、少人数単位での実施を行います。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大防止により、外部ギャラリーを使用してのレプリカ標本の展示評価ならびに出張を伴う衝撃成形実験が実施できませんでした。次年度にこれらを実施予定です。
|
Research Products
(2 results)