2018 Fiscal Year Research-status Report
博物館資料の収集と利活用を促進させるサイクルの構築:北海道産アンモナイトを事例に
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18K01109
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Research Institution | Hokkaido Museum |
Principal Investigator |
栗原 憲一 北海道博物館, 研究部, 学芸員 (10761661)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | GIS / 博物館資料 / 市民参加 / アンモナイト |
Outline of Annual Research Achievements |
多様な資料を保有する博物館には,未活用の貴重な資源(情報)が眠っている.それらは,近年の情報通信技術の発達によりデジタル化が進められ,文字,音声,映像など様々な形の情報として提供されるようになった.しかし,資料の情報化が多様になってきたからこそ, 「今後は博物館としての固有な情報をどのように蓄積するか,博物館資料をどのように情報処理するか,そしてその情報をどのような形で一般社会へわかりやすく提供するか」を考えることが重要である. 一方,北海道では,約1億年前の地層から保存良好なアンモナイト化石が豊富に産出する.そのため,北海道産のアンモナイト化石を収蔵している博物館は多く,展示物や教材資料として目にする機会も多い.しかし,多くの博物館資料は必ずしも学術的活用が十分になされていないのが現状である.また,市民の寄贈による化石資料には,詳しい産地情報などが記録されておらず,学術資料としてすぐに使用できないものも存在するため,資料データの記録方法の理解促進も重要である. そこで本研究では,約1億年前の北海道産アンモナイト化石を事例に,地理情報システム(GIS)を活用したデジタルアーカイブスを構築し,その成果を博物館教育プログラムで活用することで,今後の資料データの記録方法の理解促進、市民参加型の資料収集の促進へフィードバックさせ,さらなる博物館資料(情報)の収集と利活用を促進させるサイクルを構築することを目的とする.2018年度は,上記目的と単年度研究計画に基づき,以下の研究を行なった. 1.GISを活用した産地データベースを作成するためのプラットフォームを構築するため,北海道小平・古丹別地域の過去に論文で公表されたアンモナイト類の産出データを登録した. 2.追加の地質調査が必要な箇所については,現地調査を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は,平成30年9月に発生した北海道胆振東部地震の影響により,研究代表者が勤務する博物館内における業務が予想以上に膨大になったため、当初に計画していた現地調査ならびにデータの入力を十分に実施することができなかった。以上の理由により、現在までの進捗状況はやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、当初計画通りに現地調査の実施期間ならびにデータ入力を十分に確保するとともに、2018年度計画で実施できなかった作業を実施することで、研究を推進させる。
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Causes of Carryover |
発生した次年度使用額は、当初の計画では主に現地調査を実施するための旅費・研究補助費である。2019年度においては、現地調査の期間を十分に確保するとともに、計画通りに研究補助者を確保して研究を推進する予定である。
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Research Products
(2 results)