2020 Fiscal Year Research-status Report
Understanding diverse context of museum visitors: what do they look for in exhibits?
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18K01112
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Research Institution | Kanagawa Prefectural Museum of Natural History |
Principal Investigator |
田口 公則 神奈川県立生命の星・地球博物館, 学芸部, 主任学芸員 (70300960)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広谷 浩子 神奈川県立生命の星・地球博物館, 学芸部, 主任学芸員 (10205099)
大島 光春 神奈川県立生命の星・地球博物館, 学芸部, 主任学芸員 (40260343)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 展示見学 / ポートフォリオ / 写真記録 / 動線 / 来館者行動 / 展示評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、自分自身の展示見学を可視化する「展示見学ポートフォリオ」の手法を基礎として、個別的な展示体験の文脈を総合的に捉えることを試みる。「人は、何に反応し、興味関心を抱き、どのような文脈でとらえ、どのような価値を見いだしているか」をどのような方法で知ることできるのか、が命題となる。 「展示見学ポートフォリオ」は、注目した展示物をデジタルカメラで記録し、時系列に画像配置したシートに自分自身のメモの追記により作成する展示見学記録である。このポートフォリオは、展示見学者自信が省察を深める手法になる。一方、博物館側にとって、この展示見学ポートフォリオは「来館者と展示物との接点」を知る手法にもなり得る。関心事のひとつが、ポートフォリオを展示見学時の「感情」を浮き彫りにする「ジャーニーマップ」へと発展させ、感情に起因する観覧行動を掴むことである。このように本研究では、来館者の体験を総合的に捉えることを試みる。すなわち、①デジタルカメラ等を活用した感情記録、②展示ポートフォリオを通じた省察における思考、③展示見学時の行動観察やインタビュー、これらの結果を対照させ展示物がもたらす個別的文脈を明らかにすることで、展示を効果的にみせていくための礎の発見を目的とする。 2020年度は、コロナ禍により「展示見学ポートフォリオづくり」講座が中止となった。そのため、これまでの実践データ、とくに参加者が撮影した展示画像の分析をすすめた。結果、撮影頻度の高い展示物が見えてきた。また、撮影時刻と展示物の位置情報を基に見学動線を推測し、参加者の展示見学の多様なパターンを認識した。各個人が撮影したデジタル画像の分析は、撮影者と展示物の関係を知る手がかりであり、つまりは来館者を知る重要な要素となることが見えてきている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
上述の通り、展示見学ポートフォリオづくりの講座やワークショップなどの中止により、新規実践ができなかった。そのため写真記録と参与観察等をあわせての展示見学パターンや、受講者が抱く展示文脈など基礎データの取得に至っていない。 新型コロナウイルス感染症拡大の影響が大きい。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに蓄積した参加者の撮影画像等の活用を深めることとし、研究協力者とのオンライン会議等をすすめていく。
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Causes of Carryover |
学術大会の中止やオンライン開催に伴い、旅費使用が大きく削減されたために使用額が小さくなった。研究延長により使用していく。
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