2019 Fiscal Year Research-status Report
Collection of beach sands and environmental education in museum of natural history
| Project/Area Number |
18K01114
|
|---|
| Research Institution | Administrative Agency for Osaka City Museums |
|---|
Principal Investigator |
中条 武司 地方独立行政法人大阪市博物館機構(大阪市立美術館、大阪市立自然史博物館、大阪市立東洋陶磁美術館、大阪, 大阪市立自然史博物館, 主任学芸員 (80321917)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
| Keywords | 砂 / 砂浜 / 博物館 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
世界的な枯渇が問題となっている「砂」を対象とし、自然史系博物館における砂の資料収集の意義を探るとともに、砂を通した環境学習を実践していく。砂の枯渇による海岸侵食などで失われつつある砂浜の砂を中心に収集を行い、その地域性や多様性を検討し、多くの人が容易に収集できる地質資料としてのポテンシャルを砂から探っていく。
2019年度は当該科研費2年目として、連携研究者との研究の計画と、砂浜の砂の収集・調査を中心として行った。砂浜の砂の収集・調査は、当館のコレクションとして不足や抜けていた、山口県西部、九州北部、九州の離島、東北地方日本海側などでの収集を行った。砂の収集活動については、後述の普及行事の中での解説や注意事項を踏まえ、博物館友の会会員を中心にした一般市民にも収集を協力していただいた。また、博物館の普及行事の中で、すでに収集している日本各地の砂浜の砂を用いて、室内で観察する行事を実施した。行事の中では、肉眼及び顕微鏡下での観察に基づいて、砂浜の砂の起源やそれぞれの地域による砂の特性、世界及び日本での海岸侵食の現状などについて解説を行った。なお、砂浜の地形形成と海岸侵食に関する観察会を3月期に計画していたが、新型コロナウィルスの感染拡大防止のため中止となった。同時に学会での発表や普及書などに砂についての解説記事の執筆などを行った。
また、次年度以降に計画している市民向け書籍の編集方針やそのスケジュールなどを連携研究者と確認を行った。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該科研費2年目として、計画的に砂浜の砂の収集・調査活動を実施し、その成果を一部であるが普及誌に執筆することができた。砂試料は、研究申請者本人に加え、他の研究者や一般市民からの収集・寄贈が増え、この1年間で日本国内と一部海外の資料も加え、160以上の砂試料が収集された。これにより当館の砂試料の総数は800試料を近くとなり、西日本を中心にコレクションの充実が進んだ。また、申請者及び連携研究者による論文及び解説記事の執筆、学会での講演や博物館での普及行事を実行することができた。ただし一部の普及行事は新型コロナウィルス感染拡大の防止により中止となったが、全体の進行として概ね順調に推移している。
|
| Strategy for Future Research Activity |
2020年度は砂試料のさらなる収集と砂浜環境の調査を進めていく。特に、当館のコレクションが少ない東北地方および四国東部を中心に調査を行い、コレクションの充実に努めていく。学会への参加や発表も積極的に行い、関係研究者との議論なども深めていく予定である。また、収集・調査活動だけでなく、2021年度に計画されている、「砂」をテーマにした展示会や観察会、書籍の出版などの計画を進めていく予定である。その中で、博物館コレクションとしての砂の位置付けを明確にしていき、砂環境の重要性について市民への普及を行っていく。
ただし、新型コロナウィルスの感染拡大による緊急事態宣言の発令などの結果、砂浜環境の調査や収集活動の遅延、学会中止などにより、研究計画の大きな変更が予想される。
|
| Causes of Carryover |
当初の研究計画では初年度に購入を予定してた物品の購入を、次年度以降にまわしたため。また、想定されていた人件費・謝金を用いた標本整理作業を、申請研究者本人が実施したため。
|
Research Products
(6 results)
